Top 柴又名画座 No.153 | Back |
『続・座頭市物語』 (1962年 大映京都) |
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ところで、この与四郎という人物は、物語が3分の2を過ぎるあたりまで、この話の中でどういう位置づけなのかがまるで見えてこない。市と、やくざや武士たちとの戦いの中で、この与四郎の存在はかなり浮いたものとなっているのだ。
ところが、最初は単なるゲスト出演なのだろうかと思っていたら、中盤を過ぎたあたりからようやく関係が見えてきて、そのあたりから、俄然、画面全体に緊張感が増してくる。これは実に憎い演出と言うべきで、じっくりと作り込まれた脚本に、この映画のスタッフの自信があふれている。
また、前作ではまだキャラクターの固まっていなかった座頭市も、この作品では、これ以後の作品へと連なるはっきりとした人物像が見えてくるようにていねいに作り込まれており、すでにシリーズ化が決まっていたに違いないことが読み取れる。市の衝撃の過去が明らかになった瞬間にスパッとエンディングを迎える潔さは、実に見事だ!
「座頭市」シリーズ(全26作) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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