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< または日記 の・ようなもの > |
高速を飛ばして蘇我インターまでは約1時間。千葉県の高速は、ETCがまだ実験段階だった時からレーンが設置されていたため、ETCを利用すると実に走りやすい。ETC車載機にETCレーンの案内情報まで出る親切さだ(実はこのレーン案内情報は、他の路線でも、順次提供される予定だったらしいんだけど、電波の乱反射による誤作動とか、ETCそのものの普及の遅れとかの問題から、他の高速ではほとんど提供されていないものなのだ)。
そしてナビの案内で問題なく目的地に到着。カーショップか整備工場のような建物を予想していたら、普通の会社のような建物だったので一瞬、「アレッ!?」と思ったが、そこで間違いないらしい。普通の会社の受け付けのようなところで予約していた旨を伝えると、「1時間ほどで終わりますのでこちらでお待ちになりますか?」と言われたが、初めての土地だし「近くを散歩してますから、携帯に連絡をください」と言って、車を預けて近所をぶらぶらする。田んぼや畑が広がり、その向こうに高速道路やお寺の森が見えるなど、のどかな風景は、映画『となりのトトロ』の中に出てきそうな景色である。30年ほど前、ぼくが子どものころは、柴又にもこれとほとんど同じような風景が広がっていたことを思いだし懐かしくなる。
そしてジャスト1時間後、携帯が鳴り、作業が完了したとのこと。作業品質は全く問題なし!! 代金は、RV車のウィンドウ2枚分=12,000円+三角窓2枚分2,000円+消費税=合計14,700円はかなりリーズナブルだったのではないだろうか。ぼくは昔、バイクのヘルメットにカッティングシートを自分で貼ったことがあるんだけど、シワが寄らないように、曲らないように貼るのはやはり技術と道具と経験が必要だと痛感した。自分でフィルムを買って貼るとかなり安くはなるけれど、やっぱりプロの施工にまかせた方がいいですね。
ということで「今日1日は窓の開閉をしないでください」と言われて帰路につく。フッフッフ、ここで料金所で窓を開閉する必要のないETCが大活躍するワイと思いきや、な、何と蘇我インターの入り口のETCゲートが閉まっているではないか!! 入り口が閉まっていると、結局、支払いの時にも有人ゲートを通らなければならず、ETCの意味が全くなくなるのだ。案の定、料金所ではがら空きのETCゲートを横目に有人ゲートに並ぶハメに……。しかも窓が開けられないからドアを開けてカードとチケットを係員に手渡しする。かっこ悪〜ッ!! くそーっ!! 千葉では使えると褒めたそばからこれかい!! ETC、やっぱりだめじゃん!!
午後、途中まで書いた段階で物語の流れに疑問が生じたため、書きかけのシナリオをファックスでN川さんに送り、電話で打ち合わせ。
22:30、ようやくシナリオが完成。ファックスで編集部へ送ってすぐに車で家を出る。
11:30、車で西新宿にあるエニックスに到着。N川さんを呼び出して、いつものジョナサン中野弥生町店で、送っておいた『マジック・マスター』次回シナリオ第7稿の打ち合わせ。今回は、問題点が明確になったため、N川さんの反応も上々で、充実した打ち合わせができた。
10:30、車に分乗して富士急へ向かう柳田さんたちと分かれて、ぼくひとりだけ、バスで箱根湯本まで戻り、ロマンスカーの時間まで喫茶店で軽く仕事をすることにする。
だけど、携帯の受信感度を見てみると、電波が弱くて店内ではネットにつなげなそうだったので、店へ入る前に河原へ出てメールチェックをすることにした。観光地の河原でひとりノートパソコンをいじってるのも何だかカッコ悪いっス(笑)。
その後、隣近所へのおみやげを買って帰路につく。ロマンスカーの中では、通路をはさんで座ったおばちゃんたち5人が大声で話して大爆笑しては大騒ぎ。かなりムカついたけど、なんだかとっても楽しそうな雰囲気だったので、がまんした。そういえば昨日の夜、マジシャン合宿の飲み会でも、夜中に下の階の人から「うるさくて眠れない」と注意を受けていたのだった。観光地だとついハイになってしまうのは誰でも同じですね。今どきの時事用語で言うと隗より始めよってことでしょーか?
8:30、新宿着。喫茶店で時間調整をする。
9:10、小田急線新宿駅改札前で「少年ガンガン」編集のN川さんと落ち合い、ロマンスカーに乗車。一路箱根湯本を目指す。
11:00、箱根湯本からバスで桃源台へ。そして11:30、合宿先であるホテル箱根アカデミーに到着。合宿はすでに前日の金曜日から合宿が始まっており、ぼくらが着いた時には、すでに午前中のマジックレクチャーがたけなわだった。
その後、昼食を取り、マジシャンたちは、再び講義へ。いつもなら、ぼくとN川さんも一緒に講義を聴講して取材するところなんだけど、今回は、『マジック・マスター』の新展開のプロット立てを煮詰めなければならないため、講義は欠席。ホテルのロビーで缶コーヒーを飲みながら、熱い打ち合わせをみっちり4時間半!!
16:30、チェックインを済ませて部屋へ入り、今度は、ぼくひとりで、今打ち合わせた内容を、持参したノートパソコンで、夜の打ち合わせ用にレジュメにまとめる。
19:30、食事を終えて、さらにレジュメの続きを執筆。21:30ごろ、ようやくレジュメが完成した。プリンターがないので、ノートパソコンに携帯をつなげて、ホテルのファックスにレジュメを出力する。しかしホテル内では電波が弱いため、ホテルの玄関を出て外で接続することにした。春でもさすがに箱根の夜は寒い。ノートパソコンをホテルの玄関前の階段に置いて、ブルブル震えながらいじくっているのは、我ながら実にミョーな風景である。
22:30、ぼくとN川さんに、監修者の柳田昌宏氏、プロマジシャンの秋元正氏を加えて、先ほどのレジュメを元に、ロビーで打ち合わせ。レジュメの内容はなかなか好評で、新展開の方向性がかなり見えてきた。関係者一同にホッとした安堵の表情が浮かぶ。けど、シナリオを書くのはこれからだから、まだ登山も、登山道を入ったばかりの1〜2合目といったところだ。
夜、恒例の飲み会の前に、『マジック・マスター』の新展開で使う予定の心霊マジックを、秋元正氏に実演していただく。参加者の中から8人が選ばれ、その8人がテーブルを囲んで、手をつなぐ。そして部屋の照明を消すと……何とそこで驚異の心霊現象が始まるのだ!! これはもちろんマジックなんだけど、あまりのリアリティにある女性参加者は大パニックになってしまったほどなのである。さて、ここでいったいどんな心霊マジックが行なわれたのか!? それは『マジック・マスター』の今後の展開をお楽しみに!!(ちょっと宣伝)
夜、「オースーパージャンプ」編集のW邊さんと電話で打ち合わせ。一部を修正して週明けに第3稿を送る約束をする。明日からは取材のため、何とか間に合ってホッとした。
19:00、渋谷でN川さんと待ち合わせ。ウイザードイン事務所へ行って、柳田昌宏氏、秋元正氏を交えて、先ほど送ったばかりのシナリオの監修をしていただく。しかし正直なところ、まだまだ改善の余地が残されているといった感じ。それで、今週末に予定されている箱根マジシャン合宿の時に、集中的にディスカッションをしましょう、ということになった。今月は、先月のシナリオの完成が遅れたために、最初からスケジュールが押しているため、かなり厳しいことになりそうですぅ。
夜、まだ『HAIKARA事件帖』は完成していないのだが、『マジック・マスター』の打ち合わせが明日に控えているため、『HAIKARA事件帖』の執筆を一時中断し、『マジック・マスター』の次回シナリオ執筆に取りかかる。
22:00、予定より半日遅れてシナリオがようやく完成。ファックスで「少年ガンガン」編集部へ送り、すぐに車でエニックスへ向かう。
23:00、西新宿のエニックス前へ到着。編集部へ電話をかけてN川さんを呼び出し、いつものジョナサン中野弥生町店で深夜の打ち合わせ。
テーブルに着くと、隣の席で20代から30代くらいの男女5人ほどが、テーブル一杯に紙を広げて何かの話し合いをしている。チラッと横目でのぞいてみたら、広げている紙は、どうやらマンガのネーム(コマ割りをした下描きのラフ原稿のこと)らしい。通常、マンガ家と編集者の打ち合わせというのは1対1で行なわれる場合が多いが、なぜ複数!? もしかしてこれがウワサの講談社方式の打ち合わせなのか!?
実は、普通はマンガの打ち合わせは1対1と書いたけど、講談社だけは例外で、マンガ家の担当編集者が複数いて、複数で打ち合わせをするのだという。作家の側からるすと、聞くだけでやりにくそうだけど、そのやり方で大成功をおさめた作品も多数あるのだから、一概にどちらがいいとは言えない……。でも……やっぱりやりにくそう!!
夜、W邊さんと電話で打ち合わせ。感情表現の部分を中心に一部修正することになる。
続いて『マジック・マスター』次回シナリオ第2稿の執筆を始める。前回は、『マジック・マスター』も『HAIKARA事件帖』も両方とも締め切りをオーバーしてしまったため、ゴールデンウイーク進行と相まって、今回もかなりタイトなスケジュールになっている。
ちなみにゴールデンウィーク進行というのは、ゴールデンウィークになると製版所や印刷所などがまとめて休んでしまうため、雑誌の編集進行が通常より早まることを言う。つまりゴールデンウィーク進行になると、いつもより締め切りを1〜2週間早めなければならないのだ。ハッキリ言ってこれは苦しい。他に8月のお盆進行と、12月の年末進行というのもあって、出版関係で仕事をする人間にとっては地獄の3大進行となっているのである。
10年ほど前までは、週刊誌などはこの時期になると、ひどいときには3号分くらい前倒しで原稿を完成させておかなければならず、それこそ作家も編集者もライターも血を吐くような苦しみを毎回味わっていた。しかし最近は、週刊誌はこの時期には合併号を出すので、日頃、締め切りをきちんと守ってさえいれば、それほど殺人的なスケジュールになることはなくなった。
ところが月刊誌は、ゴールデンウィークだろうが年末だろうが発売日は変わらないので、今ではむしろ週刊誌よりも大変で、いまだに3大進行の地獄が続いているのである。
それにしても、ここ10年で入稿が電子化したり、デザインがDTP化したりしてあらゆる面で省力化が進んでいるはずなのに、いまだに編集の現場が楽にならないのは、何かの陰謀ではないかと思うがどうか。
夕方、集中力が落ちてきたので、いつもの蔵前橋通り沿いにある、ガスト北小岩店へ行って、遅い昼食(早い夕食?)を取りながら、『HAIKARA事件帖』の原作執筆の続き。
ところがガストのテーブルの様子が、いつもとちょっと違っていた。各テーブルの上にゲームや占いができる液晶端末が備えつけられていたのだ。実はこれと同じものが、不二家新小岩店にも1年ほど前から設置されていて、ぼくはこれがヒジョーにキライなのだった。
それはなぜか。理由はいくつもある!!
まず占いやゲームなどの各コンテンツは有料で、1回100円〜200円もかかる。子どもを連れていくと必ずやりたがるから、それだけで500円くらいは簡単に使わされてしまうのだ。そこらにいるようなありふれた小犬が、ただじゃれまわっているだけのつまらない映像を5分間見せられて100円。10数問の質問に答えると運勢を占ってくれるっていうんだけど、やってみたらこれが何の根拠もなさそうなただのイエスノークイズでした、というお遊びの占い200円。それでも子どもはやりがたるんだよ! こんな子どもだましのネタで親のサイフを狙うんじゃねーっつーの!!
そして、トップメニューには「無料」と表示されているコンテンツも多いんだけど、それらはどれも広告かアンケートの類ばかり。そんな中でもちょっと面白そうだと思って見ていくと、やっぱりその先は有料になっていて、これじゃインターネットの悪徳サイトとほとんど変わらない。
しかも、それじゃあやらなければいいじゃないかと思うと、さにあらず。何もしなくてもデモ画面が常に表示されているから、それが視界の隅でチラチラと動いていて気になることこの上ない。画面の明るさを調整することはできるが、完全に消すことはできない。
さらに、これが大問題で、音がうるさい。各端末にボリュームが付いているから、自分のテーブルの端末の音は絞れば消すことはできるんだけど、他のテーブルの方から、ガヤガヤチャラチャラと耳障りな音が聞こえてくる。時には、客が帰ってしまった無人のテーブルからも音が聞こえてくることがある。これは最悪だ。
そしてもうひとつ、ガストの端末の場合、テーブルの下に、配線を通すためのスチール製のパイプが配管されたため、テーブルの裏側に足がつかえて、足を組んで座れなくなってしまったのだ!!
これは……大のガストファンだったぼくとしても、もはやフォローしきれないところまで来てしまったようだ……。
ガストは、かつて出店当初は、大胆で個性的でシンプルで魅力的なメニューが豊富で、ファミレスファンの間でも非常に評判が高かった。
文字どおりアッと驚くほどテンコ盛りの山盛りポテトフライ、これでもかというくらいに盛り上げたソフトクリームとホイップクリームにドロッとチョコレートシロップをぶっかけただけの全く飾り気のないチョコパ、生地の上にチーズだけしかトッピングされていない文字どおりのチーズピザetc...その伝説のメニューは多かった。
そしてその個性的なメニューに惹かれて、カルトなガストマニアが急増。コミケでガストを研究した同人誌までが発売されたほどなのだ。ところが、最近はメニューにもこれといった特長は見られないし、店の作りも値段も、どこにでもあるファミレスと同じ平凡なものになってしまった。かつてはガストの大きな魅力のひとつだったドリンクバーも今では他のファミレスにもあるし。
それでも、あの端末がなければ、ぼくはまだガストファンであり続けようと思っていたのに、残念ながら、これからはジョナサンがメインになりそうですね……。ううむ……さらばガスト。