ジャンプ・コミックス デラックス
HAIKARA事件帖 漫画/里見 桂、原作/黒沢哲哉
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里見桂先生とのおよそ10年ぶりの仕事がようやく単行本にまとまりましたー。舞台は明治末期。当時の最新知識を駆使して事件を解決する素人探偵・一条寺開の活躍。
毎回、明治末期という時代の空気や世相がなるべく出るように工夫しているので、そのあたりを読み取っていただけたらうれしいです。
からくり その1 | 白い顔の死体(前編)……… | 3 | 内容紹介 |
からくり その2 | 白い顔の死体(後編)……… | 49 |
からくり その3 | 魔の十二階…………………… | 85 |
からくり その4 | 汚れた油絵…………………… | 129 | 内容紹介 |
からくり その5 | 哀しみの鹿鳴館……………… | 177
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2000/02/07発行 集英社 定価:505円+税 ISBN4-08-859110-0 雑誌43632-10
明治末期を舞台に、発明家で素人探偵の一条寺開が、自慢の発明品と名推理によってかずかずの難事件を解決する。発明家としてのコンセプトも固まってきて、ますます執筆にも力が入ってまいりました。里見桂さんの精緻な筆も冴えてます。
からくり その6 | 冤罪の報酬……………………… | 3 |
からくり その7 | 真実と嘘………………………… | 45 |
からくり その8 | 燃えた活動写真フィルム …… | 85 |
からくり その9 | 時間の隙間……………………… | 123 |
からくり その10 | 瞳の中の爆弾魔………………… | 163
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2000/08/09発行 集英社 定価:505円+税 ISBN4-08-859140-2 雑誌43632-40
コミックスも3巻になっていよいよ絶好調。からくりその13「洋上の出逢い」は、雑誌連載時に、これまでの最高人気を獲得しました。発明王トーマス・エジソンまでが登場するムチャクチャなお話ですが、なかなかダイナミックなエピソードに仕上がったと思います。
からくりその14「知りすぎた男」というサブタイトルは、もちろんヒッチコック映画『知りすぎていた男』から拝借したもの。内容はヒッチコック映画とはぜんぜん違いますが、花やしきのシーンでは超クラシックな観覧車が登場。これはもちろん『第三の男』に目配せしたシーンなのでありました。
個人的には、からくりその15「月下の死美人」が好きな話です。このお話には開の発明品としてプラネタリウムが登場しますが、この作品の雑誌掲載と前後して、渋谷の五島プラネタリウムが閉館。偶然にもタイムリーなネタとなりました。
からくり その11 | 翔べない翼……………………… | 3 |
からくり その12 | 千里眼の女……………………… | 43 |
からくり その13 | 洋上の出逢い…………………… | 87 |
からくり その14 | 知りすぎた男…………………… | 137 |
からくり その15 | 月下の死美人…………………… | 181
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2001/06/09発行 集英社 定価:505円+税 ISBN4-08-859184-4 雑誌43632-81
今回、このコミックス第4巻の中で開が発明するのは、ファクシミリ、ポラロイドカメラ、蛍光灯、電子レンジetc...。いったい開の天才発明家ぶりはどこまでエスカレートするのか、作者も分かりません(笑)。
しかしおかげさまで連載の人気も上々で、からくりその16「夢のかけら」と、その19「籠の虜鳥」は、雑誌掲載時の読者の人気投票でも高評価を得たエピソードでした。あとはもう少しコミックスが売れてくれるとうれしいんですけどね。雑誌掲載時の人気とコミックスの売り上げは必ずしも比例しないんです。皆さん、コミックス買ってくださいね。
個人的には、からくりその17「命の旅路」が、「オリエント急行殺人事件」を意識したお話で、とても気に入っています。また、その19も『HAIKARA事件帖』連載開始当初から、吉原を舞台にした作品はいつかやりたいとずっと思っていて、少しずつ資料を集め、満を持して書いたお話なので、データ的にも構成的にも充実したお話ができたと思っています。からくりその16「夢のかけら」は、西部劇をイメージしているんですが、分かりますか?
からくり その16 | 夢のかけら………………………… | 3 |
からくり その17 | 命の旅路…………………………… | 51 |
からくり その18 | 復讐の迷路………………………… | 97 |
からくり その19 | 籠の虜鳥…………………………… | 143 |
からくり その20 | 許されざる言葉…………………… | 191
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ついに『HAIKARA事件帖』もこの5巻で完結です。毎回、詳細な資料調べと濃い内容を詰め込むのに苦労し、執筆は大変でしたが、結果的にはとても楽しく充実した仕事となりました。
また、読者の皆様の応援のおかげで毎回の人気も上々で、特にラスト3回は読者の人気投票でも上位を取ることができました。応援、ありがとうございました〜!!
[コミックス あとがき]
からくり その21 | 発明御殿殺人事件…………………… | 3 |
からくり その22 | 父と娘………………………………… | 51 |
からくり その23 | 死者の指紋…………………………… | 101 |
からくり その24 | 夢の後先……………………………… | 147 |
からくり その25 | 一条寺開 最後の挑戦……………… | 193
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2003/02/09発行 集英社 定価:505円+税 ISBN4-08-859341-3 雑誌43634-41