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HAIKARA事件帖 第4話 <魔の十二階>
漫画/里見 桂、原作/黒沢哲哉

 第1話から3話までは集英社の「MANGAオールマン」に掲載した『HAIKARA事件帖』だが、第4話は「スーパージャンプ」増刊号への掲載となった。これは第1話、第2話ともページ数が足りなくて苦労したが、「オールマン」ではこれ以上ページ数を多く割けないという事情があり、編集部に相談した結果、兄弟誌の「スーパージャンプ」増刊での掲載が決まり、異例の移籍となった。
 今回の内容は、にわかに脚光を浴びた新進画家の油絵に盗作疑惑が持ち上がり、それを一条寺開が当時(明示末期)のハイテクを駆使して解決するというもので、そこにジェームズ・ギャグニーの映画『汚れた顔の天使』ばりの男の友情物語をからめてみた。
 しかし里見さんはぼくの原作に太宰治の『走れメロス』のイメージを読み取られたようで、完成したまんがには友情に対する裏切りと懺悔の印象が加わっている。
 ところがこの原作シナリオの完成直前に、里見氏が「スーパージャンプ」に連載している『ゼロ』(原作/愛英史)で、同じ油絵の贋作疑惑ネタの作品が載ることになってしまった!! うーん、と頭を抱えたが結局、ドラマは別のものだし、このまま行きましょうということになった。ぼくは『ゼロ』のその話のことは時期的にもまったく知らなかったことなのに、『ゼロ』が先なのがかなりくやしいぞ。うーむ。(黒沢


「オースーパージャンプ '99 DREAMING 3 増刊」(集英社)1999/08/05号掲載(1色×47ページ)

HAIKARA事件帖 第5話 <哀しみの鹿鳴館>
漫画/里見 桂、原作/黒沢哲哉

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 HAIKARA事件帖の第4話(「オースーパージャンプ」掲載の第2話)。華やかな舞踏会が開かれている鹿鳴館でむごたらしい殺人事件が起きる。実はその舞踏会は、主人公・一条寺開の祖母・菊子が主催していたため、開もそこに居合わせた。殺されたのは没落した子爵家の中年女性。目撃者の話では犯人は小柄で黒っぽい服を着た男だというのだが、その最有力容疑者とされた給仕は早々と殺されてしまう。犯人はいったい誰なのか!?
 というわけで、これまでの3話のアンケート結果や、編集部の感想などをフィードバックして、今回は本格的な推理劇にしてみました。
 ぼくとしては、今まででいちばんまとまりもよく、出来がいいのではないかと自負しているのですが、さて結果はいかに?

「オースーパージャンプ '99 DREAMING 4 増刊」(集英社)1999/11/05号掲載(1色×43ページ)


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