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monologue
< または日記 の・ようなもの >
2001.02


01/02/28
 夕方、『マジック・マスター』の次回原作第1稿がようやく完成し、ファックスで編集部へ送る。

 たまっていたビデオのラベルを書いたりと、雑用を片付けてハッと気づいたら23:00を過ぎていた。あ、大家さんのところへ家賃持っていくの忘れた!! 1日でも遅れると不動産屋のオッチャンがうるさいんだよなー。チッ、これでまた更新の時にオッチャンからじんわりやんわりと皮肉を言われちゃうぜー(笑)。

01/02/27
 なんとか風邪から復活。『マジック・マスター』の次回原作第1稿の執筆にとりかかる。

 深夜、車でガストへ行き、続きを執筆。

01/02/26
 うーん、風邪、やあね。ということで週末にまた風邪がぶり返し、夕方まで寝込む。慢性になってしまうと治りにくいんだよねー。

 18:00、もそもそと起き出して、家を出る。

 19:00、高田馬場駅前の芳林堂書店下で、ワセダミステリクラブの仲間数人と待ち合わせ、会食をする。実は、今日のお食事会の言い出しっぺはぼくだったので、風邪だからといって、キャンセルするわけにはいかないのだ。
 ほどなくして全員が集まり、駅から徒歩で数分のところにあるシンガポール料理をベースにした(?)無国籍料理店大地の歌へ行く。本日の参加者は、ワセダミステリクラブ同期でフリーライターの野村宏平くん、同じく同期の翻訳家でミステリ評論家森英俊くん、後輩でこの春に大学卒業見込みの女子大生I藤さんである。
 ところで、そもそも何で今回お食事会を開いたかというと、実は去年、ぼくが手塚プロへ通っていた時に買った柴又から高田馬場までの電車の回数券がまだ残っていて、その有効期限が今日までだったからなのだ。みすみすムダにするのももったいないから、前に野村くんと「回数券の有効期間中に馬場で飯でも食おう」と話していたのが、どうせなら他の人も呼ぼうという事になり、今回、このメンツが揃ったのだった。みなさんぼくの回数券消化のために来てくれてありがとー。

 21:30、1次会はお開きとなる。ぼくは風邪気味なのでここで失礼すると言ったら、森くんから「30分だけ来なよー」と引き止められ、それじゃあ30分だけと言って2次会にも参加することにした。2次会のお店はカクテルの種類が豊富な欧風居酒屋(店名忘れた)で、ここで新たに後輩の現役女子大生W辺さんが加わって、話はさらに盛り上がった!!

 結局帰宅は終電の数本前(笑)。あー、体が重い……。けど気のおけない仲間との会話に、精神的にはリフレッシュした楽しい1日でした。

01/02/23
 本日、「少年ガンガン」のN川さんと打ち合わせの予定だったため、昨日中に完成させる約束だった『マジック・マスター』のプロットは夕方になっても完成せず、18:00過ぎの時点で書き上がった部分までを編集部へファックスで送る。

 19:30、バタバタと外出のしたくをして、車で家を出る。

 21:00、エニックス前へ到着。電話で「少年ガンガン」編集部のN川さんを呼び出し、近所のファミリーレストラン・デニーズへ移動して先ほど送っておいたプロットについて打ち合わせをする。この日、N川さんは入稿作業で忙しく編集部を離れられないということだったので、ぼくの方から出向いたのだ。

 そしてここで、先日の打ち合わせで答えが出ず宿題となっていた『マジック・マスター』の展開案について、N川さんから画期的なアイデアが飛び出した!!
 実はこの日の午後、N川さんはおひとりでウイザードインへ行き、作画の阿白宗可さんへ送るための資料用ビデオの撮影をおこなっていた。そしてその撮影の際に、マジシャンの緒川集人さんと話をしていて、不意にそのアイデアがひらめいたのだという。
 そのアイデアというのは、聞いてみれば実に簡単なことなんだけど、普通の思考過程からはまず思いつかないだろうという、まさにコロンブスの卵、コペルニクス的転回と言っていいものだった。具体的な中味はここには書けないけれど、ぜひ完成した作品を見てください。

 これがブレイク・スルーとなって、ぼくもN川さんも疲れていたにもかかわらず、この日の打ち合わせは順調に進み、週開けに第1稿を書くという約束で別れた。こういう日は、体の疲労とは別に足取りは軽いね。車だから歩いてないけど(笑)。

01/02/22
 終日、『マジック・マスター』の次回プロットを書く。

 夜、今日は気分を変えて、いつものガストではなく柴又のジョナサンへ行って、夕食を食べながら仕事をする。

01/02/21
 16:00、打ち合わせのために神保町へ。少し早目に出て来たので、書店街を歩く。しかし久々に来たので立ち寄りたい店が多すぎて、結局、書泉グランデ、神田古書センター、日本特価書籍など、数店の店先を足早に見ただけで、大した収穫も発見もなかった。

 18:00、集英社ロビーで「オースーパージャンプ」編集のM沢さんと待ち合わせ。受け付けで呼び出してもらい、しばらく待つと、M沢さんは同じ編集部のH木さんを伴ってやってきた。担当替えがあり、今後はH木さんが『HAIKARA事件帖』の担当になるという。そして3人で次回プロットについて打ち合わせをする。基本的なストーリーラインに関しては、ぼくが持参した案でOKということになり、さっそくプロットを起こすと言うことで話がまとまる。

 19:00、打ち合わせが予定より早く終わったので、池袋へ向かう。実は近々デジタルビデオカメラを買いたいと思っていて、ひと月ほど前から、カタログやホームページ等を参考に機種選定を行なっていたのだ。そしてようやく数機種に絞ったので、とりあえず池袋のビックカメラに価格調査に向かったのである。
 ところが、それとは別に、最近、家で6年前から使っているファックスがそろそろ寿命になって調子が悪くなって来たために、こちらも買い換えなければならない可能性が出てきた。
 でもって値段を調べてみると、デジタルビデオカメラが16万〜18万円。ファックスが5〜7万円。両方合わせて20万円超はちょーっと(というかかなり)痛いではないか!! ファックスはもし完全に壊れちゃったら仕事にならないし、かといってデジタルビデオカメラは前から欲しかったしなー。ということで、この日は迷いつつ帰宅したのであった。

01/02/20
 16:00、打ち合わせのため渋谷へ到着。これから『マジック・マスター』の打ち合わせがあるんだけど、その前に自分だけで案をまとめておこうと思い、駅前の喫茶店Tへ入った。ここはイマ風の喫茶店じゃなくて、客も仕事風の人とかが多いので仕事がしやすいから時々利用しているのだ。
 ところが、その店の片隅でぼくが、いつものようにコクヨの高級原稿用紙ケ-275-Sに、端から見たら落書きにしか見えない文字を書き散らしながら案を練っていると、隣に茶髪の10代の女性と軟派な20代後半風の男2人が入ってきた

 最初はナンパかと思ってたんだけど、耳に入ってくる会話では、どうやら男たちは風俗店のスカウトで、女性の方はスカウトされちゃったこの3月に卒業見込みの女子高生らしい。

スカウトA「彼氏と待ち合わせなの? 何時から?」
女子高生「えーと5時半からですぅ」
スカウトB「こういう、男性の接客をするお店とかって、働いたことある?」
女子高生「ないです。あでも、友だちで働いてた人はいます」
スカウトA・B「へえ〜そうなんだ! あはは(意味なく笑う)」

スカウトA「僕たち怪しく見える? 見えないでしょ」
女子高生「え……ちょっと怪しいかも……」
スカウトA「(スカウトBに)怪しくないよなぁ、俺なんてよく優しいって言われるもんなぁ」
スカウトB「でも××さん、そのヒゲが怪しいっスよ、ははは」
スカウトA「これはだめだよ〜、切れないよ、トレードマークだもん、あははは」
女子高生「クスクス(つられて笑う)」

 かなんか言いながら、スカウトたちは女子高生の気をほぐしていく。そして僕が「女子高生を働かせたらヤバイんじゃないの?」とか思ってたら、どうやら男たちの話だと、卒業を待って働いてもらえばいいんだけど、その前にぜひ1日だけ体験入店してみてよ。それで気に入らなかったらやめちゃえばいいわけだし、もちろん1日分の給料は払うんだからさー。と誘っているのだった。
 体験入店なら女子高生でも法律的に許されるのかどうか僕は知らないが、少なくとも体験入店して気に入ったら、「じゃあ3月から来ます」とはフツーならないと思う。「明日から」とか、せいぜい「来週から」でしょう。
 そんなことにはおかまいなく、男たちは自分たちの店の素晴らしさを力説する。その時のトークのポイントは、具体的な仕事の内容はほとんど語らず、「雰囲気がいい」とか「店内が明るい」とか「清潔」とか抽象的なイメーだけで話を進める点。「お金がもらえる」とか「欲しいものあるでしょ」とか「お小遣いって月いくら?」とかは言うけど、実際に稼げる金額がいくらかということは一切会話には登場しない。そしてさらに、「詳しいことは口じゃ説明できないからさ、あとは実際に見てもらって……」というセリフを、会話の節々に織り込む。
 実は、このあたりはかつて僕が仕事で知り合った現役風俗嬢たちから聞いたスカウト話と全く一緒で、どうやら昔からあるスカウト術が、そのままの形で今に受け継がれているらしいですね(笑)。
 とにかくスカウトマンは女の子を店まで来させちゃえばもう勝ちで、女の子は店へ来て「えーっ、話が違う!」とか思っても「ま、お金になるからいいや」とあきらめちゃうコがほとんどなんだとか。
 そしてこの、外見はハデだけど世間知らず風な女の子もまた……。

 とか考えてたら全く仕事にならなくて、N川さんとの待ち合わせ時間が来たので、僕はその後の展開が気になりつつも、店を後にした。

 16:30、渋谷ハチ公前で「少年ガンガン」編集のN川さんと待ち合わせ。と、その時、さっきの女子高生とスカウトマンの1人が渋谷駅の方へ肩を並べて歩き去って行くのを目撃!! 彼女は5時半に彼氏と待ち合わせだったはずなのに、もしかしてこれから六本木へ直行か……!?

 などと後ろ髪をひかれつつ、こちらは男ふたりで、いつものスペイン坂アンナミラーズへ入る。ウエイトレス嬢がぼくらのことを覚えていたらしく、いつもは禁煙席を希望するぼくらに、「喫煙席でもよろしければ、広いテーブルのお席にご案内できますが」と言ってくれた。ちょっとうれしかったりして(笑)。

 19:00、N川さんと共にウイザードイン事務所へおじゃまし、マジシャンの秋元正さん、緒川集人さんを交えて次回原作の打ち合わせの続きを行なう。
 また作画の阿白宗可さんが描かれた今回の『マジック・マスター』の下描きについて、グラスの角度や置かれたコインの位置や数などに細かいチェックが入る。マジックの動きをマンガにするのは難しいのだ。

 さらにこの日はストーリーに関しても、ある部分で展開に詰まり、僕、N川さん、秋元さんの3人(緒川さんは仕事のために途中で外出された)で智恵を絞ってもいいアイデアが浮かばなくて、次回打ち合わせまでの宿題ということになった。さて、どうするか。

 22:00、どうするかと言えば、昼間の女子高生はどうなっただろうなどと考えつつ、この日もまっすぐ帰途についた。

01/02/19
 何だか週末に風邪がぶり返してしまったようで体調が優れないが、午後から『マジック・マスター』の次回原作の改訂をして、深夜完成。N川さん宅へファックスで送る。

01/02/16
 14:00過ぎ、宅配便に起こされた。目覚まし代わりに12:00にタイマーセットしてあったラジオは2時間以上鳴りっぱなしだったらしい。出てみると、エニックスから『マジック・マスター』のコミックス第1巻が10冊、見本本みほんぼんとして送られてきたのだった。

 ということで、届いた本を30分ほどじっくりと読み耽る。これがイチバン楽しい瞬間ですね。作画の阿白宗可さんはなかなか力の入ったかっこいい表紙を描いてくださったし、雑誌掲載時よりもサイズが縮小されたから、絵の密度も高まって読みごたえのあるいい本になったと思う。あとは売れてくれることを願うばかりです。本邦初の“タネ明かしあり”の本格マジックマンガが、「少年ガンガン」読者以外の人にはどう評価されるのか、実に気になるところです。

 午後はずっと『マジック・マスター』のシナリオの改訂に没頭する。

 夜はガストで夕食を食べてそのまま仕事。帰宅後、完成した改訂稿をN川さんの自宅にファックスで送る。

01/02/15
 午後起きて、近所の区立図書館へ、次回『HAIKARA事件帖』のネタ探しに行く。そして、小1時間探し歩いた結果、少し役に立ちそうな本があったので借りようと思って「ハタ!」と思い出した。前回の『HAIKARA事件帖』で資料として借りた本がまだ未返却だったのだ。葛飾区の図書館は去年の4月から、貸し出し期限切れの本がある場合、新しい本が借りられないシステムになったのだ。みんな、なかなか返さないんだろうなぁ……。そこで、一度家に戻って本を持ってきてそれを返却し、新しい本の貸し出しを受けた。

 夕方、エニックスからファックスが送られてきた。次回『マジック・マスター』について、「少年ガンガン」編集のN川さんが、昨日打ち合わせした内容をパソコンでメモにまとめてくださったのだ。今回は、増刊号に掲載する番外編のシナリオの修正も送られてきていたので、メモは2通。

 そのメモを見ながらN川さんと電話で打ち合わせをして、すぐに2つのシナリオの改訂に取りかかる。

 深夜、いつものガストへ。増刊号用のシナリオはページ数が少ないためすぐに完成した。引き続き本編のシナリオの改訂を行なう。コーヒーと紅茶とハーブティーを飲みまくり。

 7:00、案の定眠れなくなってしまった(笑)。仕方なくニュース番組やワイドショーをボーッと見ながら眠くなるのを待つ

01/02/14
 今日はバレンタインデー〜 でも仕事(涙)。

 というわけで、17:30、渋谷のハチ公前で「少年ガンガン」編集のN川さんと待ち合わせ。いつものスペイン坂アンナミラーズで『マジック・マスター』次回原作について打ち合わせをする。
 今回は、主人公のライバルが活躍するシーンなので、ふたりでどう盛り上げたらいいか、大いに悩む。やりようによってかなり面白くできるはずのシチュエーションであるだけに、少しも気を抜けない緊張した打ち合わせが続く。

 19:00、そのまま徒歩でウイザードイン事務所へ移動。マジシャンの柳田昌宏さん、秋元正さん、緒川集人さんらを交えて、シナリオに登場するマジックの監修をしていただく。基本的なマジック描写に関しては問題ないと言われたが、N川さんはさらに話を盛り上げるアイデアはないだろうかと、鋭い質問を繰り返す。

 21:00、打ち合わせ後、いつもだとN川さんと分かれたあとで、渋谷で食事をして帰ったり、本屋へ立ち寄ったりするんだけど、今日は宿題があるのでまっすぐ帰宅。家でコンビニ弁当を食べながら、増刊号用のショートストーリーのシナリオを書く。

 ところで! 今年のバレンタインデーのチョコレートの戦果はどうだったかというと……!! snap photo

01/02/13
 早朝までかかって『マジック・マスター』の次回原作第2稿がアップしたので、ファックスで編集部へ送る。

01/02/12
 終日、「少年ガンガン」の『マジック・マスター』次回原作を執筆する。エピソードの連結に悩んでしまったため、1日仕事になってしまった。

01/02/09
「少年ガンガン」のN川さんと、上野駅公園口で待ち合わせ。車で鴬谷のファミリーレストラン・ジョナサンへ移動し、今朝ファックスで送っておいた『マジック・マスター』次回原作について打ち合わせをする。
 待ち合わせ場所を上野にした理由は、西新宿のエニックス編集部と、ぼくの自宅のある葛飾柴又との中間地点ということだったんだけど、上野近辺には駐車場のあるファミレスは少なく、エニックス編集部からのアクセスもそれほどいいわけじゃないので、次回以降はまた別の場所を探す予定。

01/02/08
「少年ガンガン」の『マジック・マスター』次回原作第1稿を執筆する。

 深夜、車でガストへ行き、続きを執筆、ファックスで編集部へ送る。

01/02/07
「オースーパージャンプ」編集のM沢さんから電話があり、『HAIKARA事件帖』の原作に一部修正のリクエストが来たため、すぐにその作業を行なう。今回はストーリーラインに関しては基本的なOKが出ていたので修正箇所はわずかだ。じっくりセリフを練る余裕もあるし、こういう時は原稿を書くのが楽しい。

01/02/05
「少年ガンガン」の『マジック・マスター』次回プロットを執筆する。

01/02/03
 午後、起きたら風邪の症状は少し軽くなっていた。

 18:00、高田馬場駅前の、BIGBOX9Fのパーティスペース、アルファで開催された、ワセダミステリクラブOB会に出席する。
 ぼくはOB会は皆勤賞じゃないが、ここ最近では最も参加者が多いとかで、100名を越すOBが参加していた。といっても、ぼくが親しくさせていただいているのは、ぼくの学年の前後4〜5年といったところで、特に下級生などはほとんど知らないんだけどね。
 それでぼくは、この日は主に、ぼくの4年(多分)先輩でマンガ評論家の藤田尚さんとお話をした。
 パーティは立食形式だったんだけど、ぼくは一度ポジションを決めてしまうと動くのがおっくうになってしまうのだ。
 でもって藤田さんには、ぼくが現在執筆中で遅々として進まないでいる新企画社の単行本の話を聞いていただいたり、また藤田さんからもいろいろなマンガに関するお話をうかがった。ぼくよりはるかに多くのマンガを読まれていて洞察力も鋭い藤田さんの話からは、何気ない雑談でも得るところが実に多かった。

 20:45、二次会は、高田馬場の駅前ロータリーをはさんでBIGOXの向かい側のビルの居酒屋「土風炉とふろ」で開かれた。先月19日に「手塚治虫@ワールド」の打ち上げ会を開いた店である。
 二次会は、先輩たちは個々に集まって飲みに行ってしまったらしく、主にぼくの学年以下のメンバーが中心で、現役の学生たちも含めておよそ50人ほどが参加した。
 ぼくはこの二次会では、同期でフリーライターの野村宏平くんや、同じく同期のビジネスマン・A津くん、そして後輩でゲームプランナーの笠井修くんらと歓談した。
 しかしここで笠井くんから「先日、黒沢さんのホームページの日記(※黒沢注:このmonologueのこと)に載ってるぼくの写真が、某掲示板に直リンクされて笑い物になってたんですよー!」と言われた。
 実はそれと同様のケースが少し前にもあった。ずーっと昔に載せた写真なのに今ごろ何で? といった古い写真が某掲示板で話題になり、その人が「文章を書き換えて」とメールしてきたのである。
 最近はネット利用者が急増し、そのアクセス層も多様化してきたので、プライバシーや肖像権の問題など、以前にも増して注意しなければいけませんね。昔は撮影した人に「この写真、ホームページに掲載していい?」と許可を求めても、ホームページ自体ピンと来ない人が多くて、「ふーん」みたいな生返事をもらうことも多かったんですけどね、最近は「恥かしいから顔出しはNGね!」と言われたり、「変なこと書いてないかチェックするからな!」なんて言われることも多くなりました(苦笑)。もっとも、昔と言ったってほんの2・3年前のことなんだから、インターネット事情の急激な変化には驚きます。

01/02/02
 まだ風邪が治らないので、近所の内科病院へ行く。そして診察後、「仕事が忙しくて休んでるヒマがないので、特効薬をください」と言ってみた。すると、先生のカルテを書いていた手がピタッと止まり、「特効薬ですかー、それじゃあ……」と言って、いま書いた部分を修正液で消し、別の文字を書き始めた。ホントに特効薬を処方してくれるらしい。言ってみるもんである。

 しかし、帰宅してパソコンに向かったものの、特効薬のおかげか眠くて集中力がまったくわかないので、仕方なく、ニュース番組とか、録画しておいた『キイハンター』などをボーッと見続けてしまう。

01/02/01
 16:30、渋谷のハチ公前で「少年ガンガン」編集のN川さんと待ち合わせ。スペイン坂のアンナミラーズで、次回『マジック・マスター』のプロット打ち合わせをする。
 ところで、どんな創作でも同じだと思うけど、ひとつの作品を共同作業で作っていく場合には、良くも悪くも、それに関わる各人の考え方の違いというものが不可避である。
 そしてそれがうまく転がったときは、ひとりの力ではとても生み出せないようなとんでもない傑作が誕生することになる。しかし失敗したときには作品はボロボロとなってしまうのである。
 けれども実際には、そうした部分っていうのは、あんまし正面切って話し合ったりしないものなんだよねー。
 ところが、今日はぼくが風邪で体調が悪く、N川さんにお見せするプロットが完成していなくて、具体的な打ち合わせを進めることができなかったため、期せずして時間に余裕が出来た
 そして、お互いに今後、この『マジック・マスター』を、どっちの方向に進めていきたいと思っているのか、この作品で何を表現したいのかをじっくりと話し合うことができたのだ。
 こういうことっていうのは、気の合った編集さんとでもなかなか正面切って話したりしないものなので、今回はとっても貴重な機会だったことになる。お互いに、この作品にかける思いを理解できたし、さらには、これまで試みたことのない斬新な原作執筆法なども出てきたりして、実に実りのある打ち合わせとなったのであった。

 19:00、N川さんと共に、同じ渋谷のウイザードイン事務所へ行く。こちらでも偶然なことに、『マジック・マスター』監修者の柳田昌宏さんの方から、同様の話題が飛び出し、ぼくとN川さんは、偶然のことにびっくりしながらも、柳田さんらに、先ほどの会話の内容を話を伝え、深い理解をいただく。
 今日は物理的な仕事はほとんど進まなかったけど、スタッフ全員の心理的な面での結束が大きく強まった意義深い1日でした。う〜、でも風邪が……。


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