今はなき「月刊少年キャプテン」に連載された作品です。一言でいって"コンピュータ・ネットワーク時代の鉄腕アトム"を書きたいと思ったのですが、ハードウェアとソフトウェアが完全に分離している現代のコンピュータの概念が、スタッフに十分に理解されず心残りな作品となってしまいました。昔のアトムと違って、機械（ハードウェア）が壊れても心（ソフトウェア）は残る、というあたりをもっと描きたかったですね。ぼくの愛する街・香港も登場するし、懐かしいロボットまんがのタッチを出すのに品川さんもかなり苦労してくださったのですが…。
ぼくの中では青年誌向けに描いた『プレイヤーは眠れない』と鏡の裏表の関係になるはずの作品でした。
ラストの十数ページは、単行本化の際に品川ＫＩＤさんが描きおろしたものです。また、品川さんオリジナルの短編二編も載っていて、こちらは文句なく面白いです。（黒沢）
95/03/25発行 徳間書店 定価：550円(本体534円) ISBN4-19830052-6 ※絶版