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電気の時代を開いた天才発明家
エジソン
- Thomas A Edison -
監修/ | 竹内 均、 東京大学名誉教授 | 作画/小林たつよし、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
この伝記コミックのシリーズで最初に手がけたシナリオが本作です。その後、何冊ものシナリオを書かせてもらいましたが、最初が偉人伝としてはもっともスタンダードなエジソンだったのは実に幸いでした。本作を書くことによってぼく自身が伝記の書き方を学ばせてもらったからです。彼の人生はまさに伝説そのものです。シナリオ作家としては、そこにいかに生きたキャラクターをかぶせていくかということに力を尽くしました。エジソンの情熱と、それに共鳴したメンローパーク研究所の若きスタッフたちの輝きが伝われば本望です。(黒沢)
ある人がエジソンに「世間の人はあなたを天才とよんでいますが?」と問いかけた時に、エジソンは「天才とは99パーセントの努力と1パーセントのインスピレーション(ひらめき)です」と答えました。
その言葉通りに、若い時のエジソンは一日に数時間しか眠らず、あとの時間はすべて自分の好きな研究に捧げました。エジソンは、絶えず努力することのできる天才だったのです。(解説「落ちこぼれだった大発明家」竹内 均 より)
96/05/10発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270003-2
監修/ | 三木 卓、 作家 | 作画/あべさより、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
子供のころは、ぼくの生まれ育った葛飾区にも昆虫は無数にいました。しかし最近は蝶はほとんど見なくなってしまったし、セミの声も年々減っているような気がします。この仕事はそんなぼく自身の少年時代を思い出させてくれる仕事でした。
夏、セミの声を聞きながら筆を起こし、秋、こおろぎの鳴く夜にまとめあげたのが本書です。完成した作品は、あべ先生の作画によって軽快なテンポのまんがになり、とても楽しいファーブル先生が生まれました。(黒沢)
ぼくも「昆虫記」を読んでもらったときには、とてもおどろきました。
あの昆虫たちにこんなすごい生活があって、かれらはこんなことをしながら生きている。そう思うと、窓の外の世界がとほうもなく広く深くなったような気がしたのです。
そして外へ出てみると、今までまったく気づかなかったトックリバチの巣が、ほんとうに見えてきたりするではありませんか。そのときのおどろきを忘れません。(解説「ファーブルの語りかけるもの」三木 卓 より)
96/09/20発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270006-7
監修/ | 圀府寺司、 広島大学助教授 | 作画/鈴木みつはる、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
子供向けにゴッホの狂気の人生を描く…とても魅力的な題材ではあったのですが、やはりかなりの難物でした。彼の不可解な行動と心理的な葛藤、それらが十分描き切れたかというとかなり不満足なものとなってしまいました。
しかも編集は「情報量を増やしたいからシナリオを前回より400字詰め原稿用紙で50枚(も!)長くしてくれ」と言っておきながら、やっぱり入りきらないからといって作画段階で大幅カット。構成メチャメチャ。完璧なミスディレクションです。
おまけに自宅へ送られてきた見本の本を見てびっくり! カバーの袖部分のぼくの名前が黒沢哲也となっている!! 雑誌では何度か間違えられてがっかりしたこともあるけど、単行本では初めてです。担当編集さん、しっかりしてくださいよぉ、頼みますよぉ!!(※名前の誤植は再版から訂正していただきました。ホッ)(黒沢)
上の文章は、刊行当事に書いたものなので自己評価はかなり厳しいものになっていますが、今読み返してみると、ゴッホと仲間や弟とのすれ違い、彼の内面的葛藤などもきちんと描かれており、類書とくらべてもなかなかがんばった本だと思います。機会があったらぜひ一読してみてください。(2004/09/02 黒沢追記)
ひまわりは一七世紀頃に南米からヨーロッパにもたらされた花だと言われていますが、いつしかこの花には、信仰心や愛といった意味が込められるようになりました。
ゴッホがしばしば「ひまわりの画家」と呼ばれるのは、ただ、ひまわりの絵をたくさん描いたからではありません。太陽に向かい、信仰と愛をあらわす花。これほどゴッホの理想に近い花は、ひまわりのほかにはなかったのです。(解説「ひまわりと日本に夢をみた画家」圀府寺司 より)
96/11/20発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270009-1
監修/ | 長谷川敏彦、 国立医療・病院管理研究所 医療政策研究部長 | 作画/真斗、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
作画の真斗さんがぼくのシナリオを読んで、担当編集者に「(伝記なのに)こんなに面白くていいんでしょうか?」と言ったといいます。これは別にぼくが自分のシナリオを自慢しているわけではなくて、それほど魅力的なキャラクターが次々登場するという意味です。見せ場は何といっても彼女がクリミア戦争で活躍するシーン。名優たちの演技をとくとご覧ください。書く楽しさという面ではシリーズ中一番の作品でした。(黒沢)
近代看護を作り、病院を作り、看護教育を作ったナイチンゲールは、今わたしたちが大きな恩恵をえている、現代の医療の基礎を作った人といえるでしょう。
時代がナイチンゲールを作ったといえるかもしれません。しかし、それ以上に才能と情熱にあふれた人であったと思います。多くの障害があっても、それにまけないで、自分の使命をつきすすんだ人でした。ナイチンゲールは、今考えても新しい生き方をつらぬいた人だと思います。(解説「近代看護と病院を作った近代女性」長谷川敏彦 より)
96/12/20発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270010-5
監修/藤子プロ、作画/さいとうはるお、シナリオ/黒沢哲哉
このシリーズでは、『エジソン』から『ナイチンゲール』まで、ずっと近代の偉人の伝記を書かせていただきましたが、今回初めて現代の、しかも尊敬すべき藤子・F・不二雄氏を描かせていただくということで、緊張しまくりの仕事でした。個人的なことですが、昨年暮れに藤子・F・不二雄先生の葬儀に行った直後に編集長から本書の仕事の依頼をいただいたのもぼくとしては不思議な縁を感じています。
しかし昨年秋に故人となられたご本人以外は、関係者のほとんどが健在である中で伝記を書くというのがこれほど大変だとは思いませんでした。取材人数もこれまでで最多で、しかもシナリオの"とりあえずの"決定稿が上がった段階で、編集長は10人以上の藤子プロ関係者、小学館関係者などにシナリオをチェックしてもらったということです。
それだけ作品としての制約も多く、まんがとして面白いかとか、ドラマチックな演出がなされているかとなると「うーん」なのですが、それだけに、より真実に近い藤子・F・不二雄(藤本弘)氏の像が見えてくるのではないかと思います。
今回、藤本氏のお母様(健在!)や奥様、弟様から取材して伺った新たに明かされた事実も書き加えられています。ぜひお読みください。
因みに、本書の作画は、当初、2人の藤子不二雄氏のアシスタントを10年以上勤められた方倉陽二氏が担当されるはずでした。ところが方倉氏は、作画に入る直前で突然の病気によって急逝されました。ぼくが方倉氏とお会いしたのは、仕事場での藤本氏像についてお話を伺うためにお会いした一度きりでした。わずか2時間の一期一会。もちろんその取材も本書には生かされております。また作画も方倉氏の後輩で晩年の藤本氏の右腕と言われたさいとうはるお氏によって素晴らしいものになりました。
藤本弘氏と方倉陽二氏のご冥福を心からお祈りいたします。
(黒沢)
97/10/10発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270111-X
監修/ | 鈴木一郎、 フランス文学研究家 | 作画/平松おさむ、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
ぼくが中学校1年のとき、国語の教科書に『星の王子さま』の冒頭の部分が掲載されていて、当時の先生(女性)が「これは、皆さんにぜひいま読んでもらいたい本です。そして、大人になったときにまた読み返してほしい本です」と言われたのがとても印象的でした。それから1年ほどして、ぼくは岩波から発売されているハンドブック版を買って読みました。そのときは先生の言われた言葉の意味はわかりませんでしたが、今になってその言葉がとても大切な意味を持っていたことを知りました。あれからいつの間にか20数年が経ってしまいました。しかし、これはそんな思い出を振り返りながら楽しく書いた作品です。
作画も、「小学六年生」でゴルバチョフやエリツィンの伝記まんがのときにコンビを組ませていただいた平松さんにやっていただけて、とても楽しいものになったと思います。この本を読んだ小中学生の読者が、『星の王子さま』と出会って、それがその人の人生にとって大切な宝物になったりしたら、これはうれしいことですよ。ホント。(黒沢)
みずみずしい子どもの感性を持つ王子さまとの対話は、それまで大人のあいだで理解を得られず孤独だった飛行士のなかにひそむ子どもをよみがえらせ、最後に王子さまとひとつになってしまいます。
じつは、お話のなかでふたりに分けられている飛行士と王子さまとは、ともにサン=テグジュペリの分身だったのです。(解説「空をめざした行動する作家」鈴木一郎より)
97/12/10発行 小学館 定価:893円(税込) ISBN4-09-270012-1
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