太陽を愛した「ひまわり」の画家
ゴッホ
- Vincent Van Gogh -
監修/ | 圀府寺司、 広島大学助教授 | 作画/鈴木みつはる、 | シナリオ/黒沢哲哉 |
子供向けにゴッホの狂気の人生を描く…とても魅力的な題材ではあったのですが、やはりかなりの難物でした。彼の不可解な行動と心理的な葛藤、それらが十分描き切れたかというとかなり不満足なものとなってしまいました。
しかも編集は「情報量を増やしたいからシナリオを前回より400字詰め原稿用紙で50枚(も!)長くしてくれ」と言っておきながら、やっぱり入りきらないからといって作画段階で大幅カット。構成メチャメチャ。完璧なミスディレクションです。
おまけに自宅へ送られてきた見本の本を見てびっくり! カバーの袖部分のぼくの名前が黒沢哲也となっている!! 雑誌では何度か間違えられてがっかりしたこともあるけど、単行本では初めてです。担当編集さん、しっかりしてくださいよぉ、頼みますよぉ!!(黒沢)
ひまわりは一七世紀頃に南米からヨーロッパにもたらされた花だと言われていますが、いつしかこの花には、信仰心や愛といった意味が込められるようになりました。
ゴッホがしばしば「ひまわりの画家」と呼ばれるのは、ただ、ひまわりの絵をたくさん描いたからではありません。太陽に向かい、信仰と愛をあらわす花。これほどゴッホの理想に近い花は、ひまわりのほかにはなかったのです。(解説「ひまわりと日本に夢をみた画家」圀府寺司 より)
96/11/20発行 小学館 本体価格:854円 ISBN4-09-270009-1