アクシデンツ
−事故調クジラの事件簿−

山田貴敏、構成協力/黒沢哲哉

 山田貴敏さんの作品には、同じ「週刊少年サンデー」連載の『マッシュ』(1989/50号〜1992/38号)にアイデア提供をしたのが最初で、その後「ビッグコミックオリジナル増刊号」掲載の『ドンがゆく!』では脚本を執筆した。
 この『アクシデンツ』には、1996/35号から不定期に原案を提供させていただいており、最終話「CASE97.クジラ死す!?」 までに全8話、計28回のエピソードに協力させていただいた。
 原案は、基本設定とプロットを提供。その後、山田さんの方で場合によってはかなりアレンジされる場合もあるが、基本的なスタート地点を生かしてくださっていたので楽しめる仕事でもあった。
 ずっと気になっていたのは、ぼくの名前の表記の仕方で、毎回、ページの欄外の隅っこに「※この物語はフィクションです」と書かれている横に、それと同じ米粒のような小さな文字で「原案:黒沢哲哉」と入るだけだったこと。しかもそれさえも名前を「哲也」と間違えられたことが1回。完全に名前を入れ忘れられたことが2回もあったこと。これは担当編集の怠慢以外の何物でもない!! プンプン。
 しかし、途中で編集担当の異動があったためか、山田さんの心遣いだったのか、うれしいことに最終回では、表紙の山田さんの名前の下に比較的目立つ大きな文字で「構成協力/黒沢哲哉」と入れてくれたこと。まあこれでそれまでの不満は帳消しとしよう(笑)。

 物語は、特命事故調査官でおもちゃ屋という異色の主人公・鯨樹 雄(通称・クジラ)が、さまざまな不可解事故の真相解明に挑むという物語。ぼくの書いた原案では、新造されたタイタニック号が再び沈没の危機にさらされるという話(海の王者)や、映画の撮影中に発生した死亡交通事故の原因をクジラがズバリ究明するという話(台本外の事件)などがありました。コミックスでぜひ読んでね。 (黒沢



「週刊少年サンデー」掲載(小学館)


■『アクシデンツ』黒沢哲哉原案作品■
「クジラと鯨」(3回連載、コミックス第3巻に収録)
「危険な積み荷」(4回連載、コミックス第5巻に収録)
「闇のすきまから」(2回連載、コミックス第7巻に収録)
「台本外の事件」(3回連載、コミックス第7巻に収録)
「危険な人気者」(2回連載、コミックス第8巻に収録)
「血液を運べ」(3回連載、コミックス第8巻に収録)
「海の王者」(6回連載、コミックス第9巻に収録)
「クジラ死す!?」最終回(5回連載、コミックス第11巻に収録)

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