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2011年4月 1日

3月のお仕事ダイジェスト

 今回の震災の名称は、今まで報道機関ごとにまちまちだったのが、今後「東日本大震災」に統一されるみたいですね。
 被災地域が広範囲にわたっているので、なかなかぴったりした呼称が決まらなかったんだと思います。まあ「東日本」とすれば外れる地域はなく単純で覚えやすいとも言えますが、ざっくり「東日本」と大雑把にくくってしまうと、震災の被害を受けていない地域も含まれてしまい、そこも被災地という印象を持たれて観光客が減ると困る、という意見などもあると聞きました。まああちらを立てれば......というところなんでしょうね。

 さて、そんなこんなでいつの間にか3月も終わってしまいましたので、3月のお仕事ダイジェストです。

2/25
 電車で池袋へ。今日は、手塚治虫公式サイトのコラム『虫さんぽ』第15回の取材で、鬼子母神近くの並木ハウスへ行くのだ。並木ハウス前で手塚プロI藤さん、元講談社編集者で手塚番だった丸山昭さんと待ち合わせ。並木ハウス大家さんの奥様の案内で取材をおこなう。詳しくはこのエントリーのずーっと下の方、3/31のリンクから、公開された記事でご覧ください。

3/3
 14:00、電車で高田馬場へ。手塚プロでプロデューサーのI藤さんと、手塚治虫公式サイトコラム『手塚マンガあの日あの時』第16回のネタ打ち合わせ。今回は、前回のネタの続きなので、大きく悩むこともなく方向性が決まった。

3/5
 手塚治虫公式サイトのコラム『虫さんぽ』第15回の原稿を執筆。

3/7
 11:00、電車で神保町へ。小学館クリエイティブで編集のM形さんと、小学館の学習図鑑進行打ち合わせ。予定より遅れているのでかなりハッパをかけられてしまった。しかし進行状況の確認だけだったので、打ち合わせ自体はものの10分で終わった。
 次の打ち合わせまでだいぶ時間が余っているので、文京ふるさと歴史館でやっているおもちゃ絵の展覧会を見学しようと思い、地下鉄で春日へ向かう。
 ところが! 春日駅を降りたところでふと気がついた。今日は月曜日で休館じゃないかっっ!! ガーン。
 シオシオとなって、そのまま神保町まで戻り、ドトールでお茶を飲んで時間をつぶした。

 13:00、九段下のミリオン出版で編集のN島さんと『漫画実話ナックルズ』のマンガ原作打ち合わせ。今回は締め切りまでほとんど余裕がなく、なんと15日に決定稿を入れなければならないという。急がねば。

3/9
 自宅で『漫画実話ナックルズ』の原作を執筆。

3/10
 14:00、電車で東銀座へ。昭和通り沿いの喫茶室ルノアールで、いそっぷ社社長S藤さんと単行本企画打ち合わせ。S藤さんとは月イチペースでお会いして、その段階で書き上がっている原稿をお渡ししているのだが、今回もほかの締め切りやアパートの片付けやらがいろいろあって少ししか原稿をお渡しすることができなかった。がんばらないと。

3/11
 午後、友人を乗せて、車で近所の目医者さんへ向かう途中で大地震に遭遇した。この日はぼくの友人など多くの人が仕事に出ていて帰宅困難者となった。ぼくも前日のこの時間は銀座で打ち合わせをしていたので、これが1日ずれていたら、ぼくも銀座から歩いて帰ることになっていた。
 この日は『虫さんぽ』第15回の原稿を今日中に仕上げる予定だったのだが、さすがにそれどころではなく週明けに延ばしてもらった。

3/12
 『漫画実話ナックルズ』の原作第1稿を執筆。完成した原稿をメールで編集部へ送る。

3/12-13
 小学館クリエイティブの編集I丸さんから電話があり、プロジェクトPは週明け締め切りに変更なし、とのことなので福島第一原発の状況が刻一刻と変化する中、落ち着かないながらも仕事に専念する。
 その後、書きかけていた『虫さんぽ』の原稿の仕上げに入る。

3/14
 プロジェクトPの原稿と虫さんぽの原稿をそれぞれメールで送信する。
 ミリオン出版編集N島さんから電話があり『漫画実話ナックルズ』の原作について若干の訂正を依頼される。

3/15
 『漫画実話ナックルズ』の原作第2稿を執筆。完成した原稿をメールで編集部へ送る。
 その後、N島さんから返事があり、これでOKとなった。

3/16
 小学館の学習図鑑のイラストをイラストレーターさんに電話とメールで発注。しかしイラストレーターさんがお住まいの地域が計画停電地域に入っており、なかなかスムースに打ち合わせが進まない。

3/17
 小学館の学習図鑑原稿執筆。

3/20-23
 小学館の学習図鑑のラフコンテ作成。

3/24
 14:00、電車で神保町へ。小学館クリエイティブ編集のM形さんと一緒に小学館へ出向き、小学館編集K原さんと学習図鑑ラフコンテ打ち合わせ。
 帰宅後、さっそく指摘された部分の修正作業に入る。
 ちなみにこの日、ぼくは震災後初めて電車に乗ったんだけど、乗客がかなり少なく、何となく周囲の空気も殺伐と感じられた。
 東武線と地下鉄線の相互乗り入れなどが中止となっていた以外は、ダイヤの乱れもなく淡々と時が過ぎているのだが、それでも駅では行き先案内板の電気が消されていたりと、何となく暗い。照明って大事なんだなぁとつくづく感じた。

3/25
 集英社編集のI澤氏からメールがあり、4月末に刊行予定だった単行本が、紙の手配がつかず2ヵ月ほど発売延期されたとのこと。聞けば東北には巨大な製紙工場が2つあり、そこが被災したため、出版業界全体で印刷用紙不足に陥っているのだとか。さらに印刷インクも不足しているという。そんなこんなで、他社でも刊行延期されたりした本や雑誌があるとは聞いていたが、ついにぼくの本にも影響がおよんでしまった。残念ですけど仕方ないですね。ギャラが先払いだったのがまだ良かったですが、今後もどうなっていくか、ぜひ1日も早い復興を願うばかりです。

3/28
 14:00、電車で神保町へ。集英社編集I澤氏と次回単行本企画の打ち合わせ。
 16:30、電車で高田馬場へ。手塚プロプロデューサーI藤さんと、次回『虫さんぽ』企画打ち合わせ。

 この日、『カラー版鉄人28号 限定版BOX3』が発売されて我が家にも見本が届いた。これは『鉄人28号』の最初の白黒アニメがテレビ放送されていた当時、光文社から刊行されたカッパ・コミクス版『鉄人28号』全20巻を当時の色刷りもそのままに復刻したもので、3つのボックスに分割して刊行された。今回がその完結編。ぼくは各巻の巻末に鉄人の時代を振り返るコラムを執筆しています。興味のある方はぜひ!

4778031636鉄人28号 3 カラー版 限定版BOX
横山 光輝
小学館クリエイティブ 2011-03-28

by G-Tools

 ちなみにこの鉄人BOXシリーズはあと2BOX刊行される予定で、それは光文社からハードカバーで刊行された単行本の復刻版となる予定だ。

3/31
 14:00、電車で神保町へ。小学館編集M山さん、小学館クリエイティブ編集M形さんと学習図鑑ラフコンテ打ち合わせ。
 その後、レイアウトを担当してくれるデザイン事務所を訪ね、イラスト指定について打ち合わせ。
 この日は大したことをしていないのに、帰宅するともうぐったりと疲れ切ってしまい、やるべきことは山積していたのだが、この日はもうオフとする。

 この日、手塚治虫公式サイトの連載コラム『虫さんぽ』第15回が公開されました。冒頭でも書いたように、今回の目的地は手塚治虫が昭和20年代の終わりに仕事場として借りたアパートがそのまま残っているという、豊島区雑司が谷の並木ハウスです。下記のリンクからぜひお読みください!!

sanpo15.jpg


虫さんぽ第15回「東京・豊島区雑司が谷 並木ハウス周辺を歩く
※新しいウィンドウが1枚だけ開きます。

投稿者 黒沢哲哉 : 2011年4月 1日 23:54

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コメント

こんばんは。
Jコミの正式版が発表になりました。
それでトップに本日黒沢先生原作の「プレイヤーは眠れない」が、
発表されていました。
おめでとうございます。
もちろん黒沢先生もご了承の事だと思いますが、
先日お会いした時はまだJコミからのアプローチは無かったと、
思っていたので、
私はJコミのフェローをさせて頂いているのですが、
びっくりするやら嬉しいやらです。
この作品は雑誌連載当初から読んでいたので、
懐かしい気持ちで拝見しています。
何かご要望がございましたら、
是非お寄せ下さい。

投稿者 xi : 2011年4月13日 23:58

>xiさん
そーなんですよ!
3月の初めにxiさんからJコミのこと教えていただいて、先日、こちらからJコミに連絡しまして、ぜひぼくの昔の絶版作品を公開してもらいたいとお願いしていたんです。
それで正式サービスのスタートを待っていたら、昨日、先方から連絡がありまして、ぼくの作品がユーザーからアップロードされたので公開してもいいか、と言われて。
それで、すでに作画を担当されたマンガ家さんからも了解をもらっていたから、すぐにその場でOKを出させていただいたんです。
さっき見たらもう閲覧数が1万を超えてて驚きました。そのカウント数全部の人が最後まで読んでくれたわけではないと思いますが、この単行本、確か当時3万部くらいしか発行されなかったと思うので、わずか半日でその3分の1の人に興味を持ってもらえたというのは、まさにネットのすごさですね。
ネット上に広がる海賊版を「浄化」して作者にも利益を還元しようというJコミの斬新な試みが成功する一助になれたらうれしいなぁ。
どうぞ今後ともよろしくお願いします!!

ついでにJコミのURL貼っときます(^_^)。
http://www.j-comi.jp/

投稿者 黒沢哲哉 : 2011年4月14日 17:15

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