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2009年10月25日

自衛隊観艦式を見学

10/23
 数日前、友人でイラストレーターのさんから電話があり「23日に自衛隊の観艦式に行く予定だったんですが、急きょ行けなくなっちゃったので、黒沢さん代わりに行きませんか?」と言うのだ。
 うああ~! それはぜひ行きたい!! しかし仕事も押してるしなぁ~、と迷ったのはほんの数秒で「ぜひ行かせてください!」と返事をしてしまった。
 雑誌『コンバットコミック』で編集の仕事をしていた10数年前には、基地祭に行く機会とか、航空自衛隊の取材などは何度かあったのだが、なぜか海上自衛隊には縁がなく、観艦式にも行ったことがなかった。このチケットを一般の申し込みで入手しようとしたらそれはもう大変な競争率らしい。仕事で取材の機会がないとなると、その競争率を勝ち抜かなければならないのだ。
 Bさんから電話があった翌日、さっそく我が家にチケットが届いた。見ると、出発は木更津港で、受付は午前6時半(!)。電車の時刻表を調べると、うちを始発で出ても間に合わない。そこで、前日に車で行って車中泊をすることにした。
 そして22日の出発当日になって、Bさんからメールが。なんと、Bさんも仕事の都合がついて行けることになったとか。チケットは2枚あるそうなので、ぼくもこのまま行って大丈夫だという。Bさんは過去にも何度か観艦式を仕事で取材したり、個人で申し込んで見学したりしている常連なので、来られることになったのはひじょうに心強い。ということで、当日、現地で合流することになった。

20091023a.jpg

 深夜12時過ぎ、自宅から下道でおよそ2時間で木更津駅に到着。事前にネットで調べておいた駅近くのコインパーキングに車を止めて就寝。しかしこんなに早く寝ることなんてめったにないので、なかなか眠れず、ようやく3時近くなって寝ることができた。

20091023b.jpg

 5時起床。6時、木更津駅近くのビジネスホテルに泊まったというBさんを駅前でピックアップして、さっそく港へ向かう。すでに多くの来場者が来ていたが、みんな早朝からテンション高っ! ぼくはまだ半分眠ってます。ちなみに、ぼくとBさんが乗るのは、上の写真でぼくの後ろに写っている練習艦あすかではなく、あぶくまという中型の護衛艦でした。
 ちなみに、観艦式は合計3日の日程で行なわれる。21日が予行1、23日が予行2、そして25日が本番である。

 受け付けで空港のような入念な持ち物チェックと、季節がらインフルエンザ対策のために乗客全員がアルコールで手を消毒してからの乗艦となる。パンフレットと一緒にエチケット袋をもらった。寝不足で船に揺られたら、もしかしてお世話になるかも......と思ったらぜんぜん大丈夫でした。よかった。

 午前8時出航。木更津港を出たあぶくまあすかは、横須賀港を出航した別の艦と合流。あぶくまは、観閲部隊の随伴艦として、いなづまくらまこんごうと合流する。あすかは観閲付属部隊に合流。

20091023c.jpg

 午後12時、出航から4時間後、相模湾沖で観閲開始。西に向かって進む観閲部隊に対して、向い側から受閲部隊が隊列を組んでやってきてすれ違う。
 上の写真の右端、ぼくらの乗るあぶくまの前方に半分だけ見えているのが、日本で初めて就航したイージス艦こんごうである。そして反対側から対向してやってきた受閲部隊の先頭の艦がイージス艦(ミサイル護衛艦)あしがらだ。
 日本初のイージス艦こんごうが就役したのが、ちょうどぼくが『コンバットコミック』で仕事をしていた1993年で、当時、最新鋭の護衛艦がついに日本にも就航した! ということでかなり話題になり、誌面にも盛んに登場させたのだが......。それから10数年、いつの間にか日本は現在イージス艦を6隻も持っていたなんて聞いてないぞ
 そしてそのあしがらの4隻後ろに見える空母のようなのが、ヘリコプター母艦ひゅうがである。

20091023d.jpg

 ちなみに艦の上はこんな具合に人でごった返している。曇り時々晴れといった天候で、日中は暑いくらいだったが、夕方、帰港するころになると風も強まり、借りた毛布にくるまって震えてました。
 艦内や艦橋などもかなり自由に歩き回って見学したり写真を撮ったりすることができる。若い自衛官が随所に立っていて、若干緊張した様子で朴訥に案内してくれたり説明してくれたりするのが好もしい(笑)。関西弁の自衛官が多いなぁと思ったら、あぶくまは舞鶴地方隊に所属しており、普段は日本海側を警備しているとのことだった。

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 護衛艦さわかぜの祝砲発射シーン。

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 観閲部隊と受閲部隊がすれ違うと、双方が180度ターンをしてもう一度すれ違い、今度は訓練展示が始まる。訓練展示とは、受閲部隊の艦艇や航空機が、実際に爆弾を投下したりロケット弾を発射したりするもの。こちらは護衛艦ゆうばりが発射した対潜ロケット弾の着弾シーン。爆発音が腹にズシンと響く。
 火薬の煙の臭いがこちらまで漂ってくるが、大砲の火薬とロケット弾の火薬ではそれぞれ煙の色も臭いも違う。

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 潜水艦そうりゅうの潜航・浮上。慣れた人はあらかじめ浮上するポイントにカメラを向けて待ちかまえているのだろうが、初めてだと、一度潜った潜水艦がどこから顔を出すのかわからず、なかなか決定的瞬間をとらえるのが難しい。

20091023h.jpg

 P-3C哨戒機のIRフレアー発射。IRフレアーとは、赤外線追尾式ミサイルに狙われた際に、それをかわすためにこうして熱源を放射するシステムのことだ。

 ということですべてのプログラムが終了したのが午後2時過ぎ。それからまた4時間かけて木更津港に帰港したのが午後6時30分だった。この後、仕事場へ戻らねばならなくなったというBさんを木更津駅まで送り、また下道を走って帰宅。疲れたけど1日たっぷり楽しめました。Bさんありがとう。顔が日焼けして痛いっス。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年10月25日 23:54

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コメント

イラストレーターのBさんつてあたしも知ってる人すかね?ほら猫や軍艦の絵描く人?

投稿者 ¶猫 : 2009年10月26日 16:16

>¶猫さん
そのとおりです(^.^)!
過去には観艦式のパンフレットのイラストも描かれ
たことがあるというその先生です。
しかしさすが自衛隊は厳しいですね。過去にそうい
う実績があったら、その後も招待券くらいくれても
よさそうですが、それはナイそうです(^_^;)。
ということで、今回も正規の手続きを踏んで、チケ
ットをゲットされたんだそうです。
そういう意味でもプラチナチケットでした。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年10月27日 01:11

やっぱり雄壮ですねえ。
たまに小樽港にも船が入りますが、こんなのは見られない。
オイラが許可するから石狩湾に向けて模擬弾発射してくれい!

で、この帰りに「くらま」が衝突したワケですね・・・
最新装備の艦船がどうして夜間航行くらいで事故を起こすのか不思議です。ハイテクの落とし穴、というところなんでしょうか?

投稿者 おなら出ちゃっ太 : 2009年10月28日 09:58

黒沢様
急に朝6時集合なんて無茶なお誘いに乗っていただきありがとうございました。
おかげさまで久しぶりにいいものを見せていただきました。

>その後も招待券くらいくれてもよさそうですが、
でも、ずいぶん前ですからねぇ。
それに担当者も変わるし。

今回はなかなかよい場所だったので、無理して私も行きましたが、
帰りの船から仕事の電話が殺到してヤな感じでした。
相模湾・東京湾でもバリバリ3本立ちますからね。
最近の電話は性能イイデスね。(誉めてないけど)

144の事故は残念でした。
「家に帰るまでが遠足です」って、先生に教わらなかったんですかねぇ?
143も火事で戦列を離れているし。
3機もヘリを積める船は貴重なんだから、自重して欲しいですねぇ。

投稿者 Bさん : 2009年10月28日 21:09

>おなら出ちゃっ太さん
船で外洋へ出たのも初めてだったので、海の色とか
も全然違って感動でした。北海道の海の色も見てみ
たいなぁ。
北杜夫の「どくとるマンボウ航海記」は学生時代の
愛読書でして、当時何度も読んでいたんですが、
久々にまた読み返したくなりました。

>Bさん
今回はお誘いいただきましてありがとうございました。
おかげさまで貴重な体験ができました。
帰り近くは、ケータイにお仕事の電話がジャンジャン
かかってきてて大変そうでしたね(^_^;)。
東京湾外でもケータイがつながるなんて意外でした。

それにしてもくらまの事故は残念ですねぇ。せっかく
のいい思い出に水を差された感じになってしまいました。しかし死者が出なくてホント良かった。
現時点での報道では、韓国船が無理な追い越しをし
かけたとか、海保の管制官が変な指示をしたとか
言われていて、くらまの方の過失は少なそうな様子
ですが、やはり遠足の帰り道は、家が近づくほど
事故の危険が増すというのは教訓ですね。
あぶくまの艦上でBさんと話してるときにも、
護衛艦の塗装の話題が出ましたが、きっと観艦式に
臨んで船を化粧するためにペンキをいつもより
多く積んでいたんでしょうね。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年10月29日 01:22

保安庁が左に舵を切れっていったとか言わないとか。
最終的に判断するのは韓国船の船長ですけど、だれかが一方的に悪いってことはないのかもしれません。
もっとも、突っ込まれた144としては舵を切るわけにもいかない狭いところだった様でいかんともしがたかったんでしょうけど。
ペンキが燃えたって聞いて、なるほどなぁと思いましたよ。
旧軍でも海戦の前に可燃物を下ろして、床材やペンキもはがしたって聞きましたが、そういう配慮って大切だったんですね。
ペンキがなければ燃えなかったから、もっと傷は軽かったろうにと残念です。

しらねの時もそうだったんですが、何しろ艦齢が高いので、金かけて修理するか、代替船の手配を早めるか悩ましいところだと思いますが、143も144も観閲艦としてなじみがあり、戦前の長門・陸奥的な船なので、長生きして欲しいです。

投稿者 Bさん : 2009年10月29日 15:30

>Bさん
まだ修理をどうするかという話までは報道されてませんね。
素人目では、先端を交換するだけならそんなにかからなそうなんですが、
そうでもないのかな。
あと、他の部分にもダメージが及んでいるのかも分かり
ませんしね。
ペンキの保管場所としては、こうしたトラブルがなければ、
先端部分というのは、引火の危険性などを避けるための
最適の場所だったんでしょうね。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年10月30日 11:34

143の火事のときは艦橋にあった電子装備がいかれちゃったので、退役しようとしていた141の装備を流用して修理し、141は引退することになったようです。
今回は船体への被害がどれくらいあるかわかりませんが、
サキッポを切って貼付けるってわけにもいかないですからどうなることやら。戦中も魚雷を食らった駆逐艦が半分になっても帰ってきたり、台風で前部砲塔から先がなくなったりしたことがありますから、その気になれば修理することはできると思いますけど。

ヘリを3機運用できる141〜144まであったんですが、
退役した141の代わりに空母型の181を入れたのに、143と今度は144が事故の修理のため戦列を離れる訳です。
複数のヘリを運用できる船が4隻から2隻に半減しちゃうわけです。
142もそろそろ艦齢的には引退するべきなので、18○級がどんどんできてこないといけないんですが、景気悪くなってくるとスムーズにいくかどうか。

韓国船に悪意は無かったのかもしれませんが、ホントに間が悪いっていうか、運が無いっていうか・・・。可燃物満載で選りにも選って144かよ!って感じですよね。

艦首の下には対潜水艦のソナードームがあるはず。
水面下なので見えませんが、壊れてないといいけど。

投稿者 Bさん : 2009年11月 1日 19:53

>Bさん
事故に関してパタッと報道がなくなっちゃいましたが、
西日本新聞にこんな記事がありました。

関門衝突事故 コンテナ船減速せず 貨物船追い越し 誘導と違う航路
2009年10月30日 14:24 カテゴリー:社会
 関門海峡で海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」が衝突、炎上した事故で、コンテナ船が前方の貨物船を左側から追い越すよう関門海峡海上交通センター(北九州市)から誘導を受けた後も、ほとんど減速していなかったことが30日、第7管区海上保安本部(同)の調べで分かった。7管は、コンテナ船が誘導とは違う右側から追い越す航路をとり続け、貨物船と急接近したために左へ急旋回し、衝突につながった可能性があるとみている。


 7管関係者によると、衝突の数分前、貨物船の右後方にいたコンテナ船は、センターから左から追い越すよう誘導された。その際、貨物船は航路中央付近におり、左から追い越すには(1)左にかじをきり、対向するくらまの進路に進入する(2)かじをきらずに減速し、貨物船が右に寄って左側が空くのを待つ‐の選択があった。

 7管の調べで、船舶自動識別装置(AIS)などの記録から、貨物船は関門橋まで航路中央付近を航行し、コンテナ船は、貨物船の2倍以上の速度をほぼ維持し、進路変更しないまま航行を続けていたことが判明した。

 2船は関門橋の下付近で最接近。その際、コンテナ船の船首は、貨物船の船尾右側に位置していた。貨物船は、航路中央を航行し続けて減速しながら右に進路変更し始めており、コンテナ船は貨物船に追突寸前となり、左へ急旋回。前方から直進してきたくらまと衝突したとみられるという。

 7管関係者は「貨物船が誘導後すぐに右に寄らなかったのは一般的には考えられない。ただコンテナ船が減速せず、右から追い越すコースをとり続けたことが事故につながった可能性がある」とみている。

=2009/10/30付 西日本新聞夕刊

元データの場所
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/131539

関門衝突事故 前方の貨物船 違反? 7管調べ 航路中央付近を航行
2009年10月31日 05:13 カテゴリー:社会 九州 > 福岡
 関門海峡で海上自衛隊護衛艦「くらま」と韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」が衝突した事故で、直前までコンテナ船の前方の航路中央付近を航行していたパナマ船籍の貨物船「クイーン・オーキッド」(9046トン)に、関門海峡の航行規則違反の疑いがあることが30日、第7管区海上保安本部(北九州市)の調べで分かった。7管は、低速の貨物船が航路中央付近を進み続けたため、コンテナ船が管制の誘導に反して、衝突寸前まで右側から追い越す航路をとり続けた可能性があるとみている。

 港則法の施行規則は、関門海峡では「できる限り航路の右側を航行する」と規定。罰則はない。

 7管によると、衝突の数分前、7管の関門海峡海上交通センター(北九州市)はコンテナ船に貨物船を左から追い越すよう誘導。だが、コンテナ船は減速せず、誘導とは違う右から追い越すコースをとり続けた。関門橋の下付近で貨物船が減速しながら右に進路変更し始めたため、貨物船の船尾右側に位置していたコンテナ船は追突を避けようと左へ急旋回。前方から直進してきたくらまと衝突したとみられる。

 7管の幹部は「狭い関門海峡で航路中央を航行するのは危険な場合もあり、今回の貨物船の航行には疑問が残る。ただコンテナ船がいったん減速し、海峡を過ぎてから追い抜いていれば衝突は避けられたかもしれない」と指摘している。

=2009/10/31付 西日本新聞朝刊=

元データの場所
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/131703

この様子では、賠償責任もどうなるかまだ分からないし、
ちゃんと続報を報じて欲しいですよねー。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年11月 1日 23:57

まあ、責任の部分は韓国船の船長がかなり怪しいと思いますが、相手が相手なので上手く追求しないとしこりが残りかねないですね。
144はこういう場合、後進全速をかけて祈るほかないですから。
高速道路の車間距離も一緒ですが、止まれる速力で走れって言われても、流れもあれば予定もあるなかで、なかなか守れないのではないでしょうか。
自営隊の船も驕っていて基本的に相手が避けるだろうと思っているという指摘もありますし。

どちらにしても、ヘリ搭載艦が一隻しかないというのはつらいです。多少金かかっても修理を先行して欲しいものです。

新聞にも同じ危惧が書かれてました。
日本の新聞も捨てたもんじゃないですね。っていうか、新聞記者でもわかるくらい深刻なんだってことかもしれませんが。
ttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009102902000232.html
『くらま』と韓国船衝突 ヘリ護衛艦稼働1隻に

投稿者 Bさん : 2009年11月 2日 12:01

>Bさん
東京新聞読みました!
修理どうするとか、ヘリ搭載艦の運用の問題とか
現場はきっとかなり悩んでるんでしょうねぇ。

しかし、週末だからニュースやらないのかと思ってたら、
やっぱり週明けても大手では全然続報ナイですね(^_^;)。

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年11月 4日 00:55

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