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2009年9月 7日
トキワ荘通り再訪と、赤塚不二夫展
9/4
電車で高田馬場へ。手塚プロでプロデューサーのI藤さんと次回手塚治虫公式サイトのコラム『手塚マンガあの日あの時』打ち合わせ。次回締め切りは9月中旬。今度こそ遅れないようにしないと。
その後、電車で池袋を経由して椎名町へ。以前、手塚治虫公式サイトのコラム『虫さんぽ・トキワ荘周辺』の取材でお世話になった商店街のK出さんにお会いする。K出さんは、地元商店街の世話役として地域振興に尽力されている方で、今度また10月に豊島区でトキワ荘関連のイベントが開かれるので、そのための資料を収集中ということで、ぼくの持っている資料をお貸しするためにうかがったのだ。
その代わりにというか、こんな素敵なおみやげをいただいてしまった。トキワ荘通り名物 チューダーあめ!!
チューダーというのは焼酎のサイダー割りで、トキワ荘にマンガ家が集まっていた当時、マンガ家の寺田ヒロオが考案し、仲間が集まるときに愛飲していたという、トキワ荘伝説の飲み物なのだ。
トキワ荘通りでは、数年前から、お祭りの際にこのチューダーを復刻販売して好評を得ており、そちらはもう地元では定番の飲み物として定着しているというが、最近になってそのチューダーの風味と味を再現した飴チューダーあめの販売も始めたのだという。トキワ荘周辺のいくつかのお店でのみ販売している地域限定商品だそうなので、食べてみたい方はぜひトキワ荘通りを訪れていただきたい。あめはもちろんノンアルコールなので、お子様やお年寄りにも、ドライブのお供にも最適だ。K出さんによると、寺田ヒロオさんのご子息からは、これ以外にも、トキワ荘に関連したいろいろな地域限定商品のアイデアをいただいたそうなので、いずれそれらも商品化されたらいいですね!!
K出さんと別れて池袋へ出たので、今日こそ池袋ネオ・チャイナタウンで夕食を食べて帰ることにする。しかし北口周辺をぐるっと歩いてみたものの、どのお店がいいかなかなか選べない。いや、おいしそうなお店はいっぱいあるんだけど、小皿料理のお店とか、居酒屋風のお店ばかりで、ひとりで夕食を食べるようなお店がないのだ。
このあたりには、ちょっとアダルトなお店もいろいろあるから、ポン引きのニイチャンには何度も声を掛けられるし、耳かきエステの看板の超カワイイお姉さんの写真を見たときには、そのアリ地獄のような吸引力に思わず足元がサラサラと崩れて落ち込みそうになったが、ぎりぎり食欲が勝って脱出に成功した(笑)。
ということで北口周辺を歩くこと30分、結局、駅にほどちかい路地の奥のこのお店に入ることにした。欲を言えば店の造りがもっと日本離れしたところが良かったんだけど、店内をのぞくと調理しているのは日本人じゃなさそうだったので本場の味が食べられるかも、とちょっと期待。
食べたのはターローメン(880円)。トロミのついた酸味のあるスープの中に、白菜やチンゲン菜、豚バラ肉などが入ったもの。コクがあるのに酸味がさわやかで、中華料理風の風味も生きた味で美味。これは当りのお店でした!!
9/5-6
2話連続で原稿を上げることになっている『龍のおんな』の原作を執筆。しかし集中力が湧かず、あまり進まない。うーんうーん。
9/5
夜、フジテレビ開局50周年記念の特番アニメ『ジャングル大帝』を見る。パンジャとレオのキャラクター設定だけを手塚治虫の原作マンガから引用し、ストーリーは完全なオリジナルだ。
日本人の実業家が海上に人工のジャングル島「ネオジャングル」を築き、そこに世界中の動物を集めて飼育展示する施設を建造しているというのが基本的な設定。まぁ『ジュラシックパーク』ですね(笑)。
そのジュラ......じゃなくてネオジャングルに連れてこられたパンジャと、このネオジャングルで生まれたレオ。そこに日本人実業家の息子・賢一がからんで物語りは展開していく。
賢一がなぜか動物と会話ができるという設定は物語の展開上必要不可欠にもかかわらず、それがなぜなのか、その説明がまったくなかったのが消化不良だったのと、アニメーションの動きがイマイチで、とくに動物らしい動きへのこだわりが少なかったことが残念。だけど全体的には、イマ風の設定の中に、『ジャングル大帝』の世界観をうまく当てはめていて、それなりに最後まで楽しめた作品だった。
9/7
仕事を中断し、電車で銀座へ。ソニービル前でフリーライターのとみさわ昭仁くんと待ち合わせ。とみさわくんとは、20数年前、「週刊少年ジャンプ」で『ファミコン神拳』という企画ページの仕事をしていたときにご一緒させていただいていたのだが、会うのは実に10数年ぶりだ。とみさわくんは、ここ数年間はあるゲーム会社で仕事をしていたが、最近、またフリーになったということで、久々に再会したのだった。
銀座で待ち合わせたのは、とみさわくんから、今日が最終日の『赤塚不二夫展』のチケットを持っているので一緒に行きませんか、とお誘いを受けたからだったのだ。
つい先日、久々に赤塚不二夫考案の料理キャベツだけ炒めを食べたばっかりのところへ、3日前には急にトキワ荘通りへ再訪する用事ができ、さらに今日こうして展覧会のお誘いを受けるなんて、何たる偶然だろうか! いや、これは何かの必然なのかも!?
会場内は、今日が最終日とあって平日にもかかわらずかなりの人でにぎわっていた。赤塚不二夫というと、『天才バカボン』を評価する人が多いと思うが、ぼくにとっての赤塚マンガの原体験は『おそ松くん』であり、その生原画の展示などはやっぱり魂が震えましたね。ぼくが当時、擦り切れるまで読んだ雑誌や単行本の生原画は神々しさに光り輝いておりました。
あと収穫だったのは、赤塚不二夫のカラー原画というのが、実はパステル調の淡い色調を多用していて実に繊細だったこと。昔の少年雑誌のカラートビラ絵の多くは光沢のある紙が使われるので、その紙に印刷されると、中間色がトンでしまってコントラストが強く印刷されるらしい。だから、生原画は、ぼくが記憶している赤塚のカラーイラストよりもずっとずっと淡い色調のものだったのだ。
それから、赤塚不二夫より少し前に亡くなった奥様が秘蔵していたというトキワ荘時代の写真は、まさに秘蔵写真という名前にふさわしい、見たこともないものばかりで驚いた。
展示方法にも随所に工夫が凝らされていて、それもとてもよかった。例えば入り口を入ってすぐのあたりに赤塚不二夫の略歴を紹介したパネルが掲げられているのはよくある展示方法だが、そのパネルは赤塚の誕生から壮年時代までのことしか書かれていないのだ。では晩年の略歴はどうしたのかというと、ずーーーっと展示を見てきて、ほとんど出口の近くにあるのである。入り口付近ではその前半生だけを紹介し、後半生の略歴は展示を見た後、というストーリー作りは憎い演出でした。
あと、テレビでも紹介されていた、さまざまな有名人によるシェー写真を集めたコーナーも人気を集めていたが、中には「なぜこの人が?」という人が入っていたりして、人選の根拠が不明だったりした。
会場では、とみさわくんとも共通の知り合いである某有名ギャグマンガ家さんとバッタリお会いした。いやー、やっぱりギャグマンガを仕事とされている方は、赤塚不二夫はしっかり押さえてるんですね。
会場を出て、とみさわくんとルノアールで近況報告&情報交換をする。50歳を前にして、会社を辞めてフリーになるというのはかなりの決断だが、すでに若い頃にフリーとしてのキャリアも充分に持っているとみさわくんのことだから、そこは心配していない。ぜひまた一緒に面白い仕事をしましょう、ということで別れたのだった。
投稿者 黒沢哲哉 : 2009年9月 7日 21:56
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コメント
今日はお疲れさまでした。
人生まだまだ、おもしろいことやりましょうね〜。
投稿者 とみさわ昭仁 : 2009年9月 7日 23:29
>とみさわ昭仁さん
おおっ、文章を推敲している間にもうコメントを(笑)。
今日は、お誘いいただいてありがとうございました。
赤塚展は予想以上の大きな収穫がありました。
また、楽しいお話を聞かせていただいてそちらも
うれしかったです。
面白いことは何でもやるという姿勢は、同じフリー
としてぼくも見習いたいですね。
ぜひ一緒に面白いことをやりましょう!!
投稿者 黒沢哲哉 : 2009年9月 7日 23:57
※スパムコメント対策のため、しばらくの間、コメントを承認後公開設定とさせていただきます。
投稿いただきましたコメントは確認後に公開させていただきますので、しばらくお待ちくださいm(__)m。
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