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2009年6月20日

懐かしの銀玉鉄砲 復刻!

6/18
 19日締め切り予定でこの前の週からずっと「別冊漫画ゴラク」の『龍のおんな』原作第10話第1稿を執筆......しているのだが、今回は構成が複雑な部分があり、なかなか進まず。
 途中、手塚プロのI藤さんから連絡があり、手塚治虫公式サイトのコラム『虫さんぽ』の第4回を仮公開したのでチェックして欲しいとのこと。えーっ、と焦るぼく。
 実は原稿は先月すでに9割方完成していて、後は最終的な確認事項を記載するだけの状態になっていたんだけど、その途中段階のダミーの原稿で公開されてしまっていたのだ。
 焦って手塚プロに電話をして、追加取材を行い、決定稿をメールで送る。何とか本公開に間に合った。ふー。

6/19
『龍のおんな』の原作は今日も進まず、結局、週末に持ち越しだ(涙)。

 ということで、仕事から逃避して、ここでちょっと前に発売された懐かしいおもちゃを紹介します。

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 去る2009年4月、銀玉鉄砲の老舗である株式会社セキデンから、昭和37年に発売された懐かしの銀玉鉄砲セキデンオートマチック SAP.50が、当時そのままの形で復刻版として発売されたのだ!! しかも1丁900円。うおおっ!! 左のケースに入っているのが復刻版のSAP.50。右はぼくのコレクションのオリジナル SAP.50(後期型)である。

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 セット内容は、銀玉鉄砲本体1丁と、銀玉1箱、そして取り説が1枚だ。復刻された SAP.50という銀玉鉄砲は、銀玉鉄砲の中でも、最も売れた大ヒット商品で、これで遊んだ記憶をお持ちの方はかなり多いと思う。SAP.50には発売時期によっていくつかのタイプがあり、今回復刻されたのはグリップ(握り)の部分に鰐皮のような模様がモールドされた初期型タイプだ。

 そして当時、ぼくが銀玉戦争で最も多用していたのがまさにこのSAP.50初期型だったのだ。

 セキデンの銀玉鉄砲のヒットによって、すぐに他のメーカーからも続々と銀玉鉄砲が発売されるようになり、銀玉鉄砲の群雄割拠の時代が訪れるが、セキデンはこのデザインを守り通した。ただし途中で、1枚目の写真で紹介したような、グリップ部分を当時の近代拳銃の流行を取り入れたサムレスト風モールドに変更したものを投入したのだった。ぼく的にはこの変更は、当初はバランスが悪くなったように思い不満だったが、やがて見慣れてくるとスマートでこれはこれでお気に入りとなったのだった。

 SAP.50には、このほかにもシルバーに塗装されたものや、ゴールドやネイビーブルーのプラスチックで成型されたもの、サイレンサーなどの付属品が付いたものなど、いくつかのバリエーションが存在する。

20090620c.jpg

 付属する銀玉。紙箱も当時のものを再現しているが、折り目のエッジがビシッと立っているので何となくニセモノっぽい(笑)。当時の銀玉の箱は1つずつ内職のおばちゃんが手で折って組み立てていたのだそうで、もっと折りが甘かったのだ。

 ところで今回は、銀玉だけの単品売りがないのが残念。撃って遊ぶには市販の6mmBB弾も使えるので心配はないのだが......。

20090620d.jpg

 銀玉を割ってみた。素材は初期の銀玉とは違い、1970年代後半から登場した、後期の銀玉と同じ軟質プラスチックだった。手で触っても手にアルミ粉が付かないので銀色も塗装のようだ。初期の銀玉は珪藻土という壁土にアルミ粉をまぶしたものだったので、大きさにばらつきがあり、手で触ると手が銀色になり、銃の中で割れて弾づまりを起こすこともしばしば、というシロモノだった。ただしこの銀玉の開発によって50発5円という当時としては画期的な安さを実現し、銀玉鉄砲は野外で思い切り撃って遊べるおもちゃとなったのである。

2009/08/04追記:アキさんからのコメントで、今回の復刻版の銀玉の材質は、石油由来のプラスチックではなく、土に還る素材を使用しているそうです。またアルミも単なる塗装ではなくコーティングだというご指摘をいただきました。詳しくは下記のコメントをお読みください。アキさん、ご指摘ありがとうございます。

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 上が復刻版で、下がオリジナル。オリジナルはやすりのようにザラザラした凹凸がありプラスチックの色もテカテカしているのに対し、復刻版はマット地でなめらかだ。また復刻版では、スライドカバー側面の「SekidenAutomatic SAP.50」という文字の下に点在していた星マークや、パテント関係の文字のモールドなどがなくなり、全体的にすっきりした印象だ。

20090620g.jpg

 銃口を見た。左が復刻版、右がオリジナル。この位置から見ると金型の精度の違いが歴然。どうやら今回、新たに金型から作り直したようである。ちなみに、SAP.50は銃口が上と下に2つあるが、上の銃口はダミーで、銀玉は下の銃口から発射される。

20090620h.jpg20090620i.jpg

 分解してみた。上が復刻版で下がオリジナル。構造的には変わりないが、内部も加工時のヒケや金型のキズなどがなくなりきれいになっている。特にトリガー(引き金)の工作精度が上がっているのは、動作のスムースさに大きく寄与しているようだ。

 撃ってみると、実際にトリガーの動きが復刻版の方がはるかにスムースで引き金が「しなやか」な感じがする。またこれにはスプリングの品質が良くなっていることも関係しているのではないだろうか。

 バイーンともバビョーンとも聞こえるSAP.50独特の発射音も、当時さながらの懐かしさで楽しめるが、ここでも銃全体が振動して発する夾雑音が低減して音が上品になっている感じだ。

20090620j.jpg こちらはオリジナルのSAP.50初期型。今回、コレクション倉庫から探し出せなかったので、この画像は、2年ほど前に雑誌に掲載したコラム用に撮影した写真だ。組み立てにはマイナスネジが使用されている。

20090620k.jpg

 これは昭和34年に発売された銀玉鉄砲第1号セキデン マジックコルト MC-50。40発の銀玉を入れることができるが、連発ではなく、銃尾から突き出た棒(コッキングロッド)を引っ張って1発ずつ撃つ単発式だった。

 画像のように、凹刻されたモールド部分にクレヨンを塗り込んで浮き立たせたりして、愛銃を自分なりにカスタマイズするのが流行したのだ。ぼく的にはむしろこっちを復刻して欲しかったですね。

関連記事:
 GUNS&ミリタリーおもちゃ箱 第4回「銀玉鉄砲」の巻
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投稿者 黒沢哲哉 : 2009年6月20日 00:32

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コメント

懐かしの銀玉鉄砲といえば、やはり セキデンSAP50
を思い出しますね。
少年の頃、悪がき仲間と何人かに分かれて、撃ち合い
をしたことを思い出すと、良き昭和の時代が心地よく
沁みてきます。

今回のセキデンSAP50復刻のコメント
興味深く、読ませて頂きました。
たいへん、すばらしく まとまっているので感激
致しました。
でも、一つ違っていることがあるので、ご訂正くださればと
存じます。それは、鉄砲付属の銀玉ですが、当時の
珪藻土をイメージして、土にかえる植物性樹脂
にタンカルを配合、」成形した玉を当時の手法でアルミ
コーテイングしてあります。アルミ粉が手につかない様には
してありますが。単なる塗装ではありません。

「バビョーン」の音が出ない品物はNGにしたそうです。
なんか、銀玉鉄砲の老舗としてのセキデンの拘りが
感じられます。

投稿者 アキ : 2009年8月 3日 23:33

>アキさん
書き込みありがとうございます。
また、銀玉に関してのご指摘、ありがとうございます。
さっそく追記いたしました。

それから、やはり音にもこだわりを持って復刻されて
いたんですね。確かに微妙な工作具合であの音は
出なくなってしまいそうですものね。昔はあの音を
出そうと思って出したのではないわけですが、それ
を後から再現しようと思うと大変なことだと思います。
この復刻SAP.50、もっと話題になるといいのになぁ。

ぜひまたお立ち寄りください!!

投稿者 黒沢哲哉 : 2009年8月 4日 00:43

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