2013年9月29日
コミック版『どくとるマンボウ昆虫記』
うはー、ずいぶんと更新をサボってしまいました。
最近はE★エブリスタで公開中のオンラインコミックレーベル『少年エッジスタ』の編集の仕事にかかりっきりで、平日は神保町の編集部へほぼ毎日出勤する生活を送っています。
いちおー、半分フリーと言いますか、立場的には他社の仕事もやっていいコトになってまして、原作の仕事なども並行してやらせていただく予定だったんですが、現在はナカナカ肉体的にも精神的にも厳しく、原作に関しては開店休業状態です。
ということで、現在、『少年エッジスタ』以外の仕事でレギュラーは、手塚治虫公式サイトのコラムのみとなってしまいました。
いずれ編集の仕事が順調に流れてきてもろもろ余裕ができたらまた原作などの仕事も活動再開しようと思ってます。
っつーことで、今年夏までに、少年エッジスタの仕事以前から手がけていた本などが出版されましたので、それらを紹介させていただきます!!
まずは手塚プロの小林準治さんの作画で、北杜夫のエッセイ『どくとるマンボウ昆虫記』をコミカライズした本が今年7月に小学館クリエイティブから出版されました。
ぼくはこの本で脚本(コンテ)と巻末の解題を執筆しています。高校時代からファンだった北杜夫の名エッセイのコミカライズに関われてハッピーでした!!
当時北杜夫の原作エッセイを愛読されていた方で、このブログを見て当時を思い出し「あー、久しぶりに読み返したくなった」と思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ手に取って見てくださ~~~い!!
コミック版 どくとるマンボウ昆虫記 北 杜夫 手塚プロダクション 小学館 2013-07-03 by G-Tools |
そしてこちらも7月に成美堂出版から刊行された『まんがで学習 日本の歴史 人物伝』全3巻。ぼくは全エピソードの脚本を担当しました。日本の歴史を作った政治家、作家、医者などの業績や生き方がそれぞれ4~8ページという超短編ストーリーにまとめられてサクッと読める。収録エピソードは上巻35話、中巻と下巻にはそれぞれ39話を収録。んー、こいつはためになる!!
まんがで学習 日本の歴史 人物伝<上> 卑弥呼の時代~源平合戦~応仁の乱 小和田 哲男 成美堂出版 2013-07-18 by G-Tools |
まんがで学習 日本の歴史 人物伝<中> 戦国時代~信長・秀吉・家康~江戸幕府 小和田 哲男 成美堂出版 2013-07-18 by G-Tools |
まんがで学習 日本の歴史 人物伝<下> 幕末維新~明治・大正~戦後の日本 小和田 哲男 成美堂出版 2013-07-18 by G-Tools |
それからもう1冊。こちらは6月に集英社の学習漫画シリーズの1冊として出版された『ぼくの友だちはロボット』。
最先端のヒト型ロボットを中心に、ロボット研究の最前線を紹介した本。メインストーリーは開発中のヒト型ロボットと小学生の少年との心の交流を描いたハートウォーミングな物語になっています。執筆はぼくの従弟の黒沢翔が担当しています。
学習漫画 ぼくの友だちはロボット 神宮寺 一 黒沢 翔 集英社 2013-06-26 by G-Tools |
そしてこちらは4月に金の星社から刊行された『漫画家たちの戦争』全5巻+別巻1です。手塚治虫や水木しげるなど、著名マンガ家が戦争を描いた作品をテーマごとにまとめた本。
子どもが戦争について学べるように各巻ごとに解説や戦時用語集を収録しており、別巻には戦争を中心とした出来事年表や、竹内オサム氏による「戦争漫画ミニ辞典」などが収録されています。
ぼくはこの本の中では「戦時用語集」と、別巻の「戦争年表」の作成をお手伝いさせていただきました!!
基本的に図書館や学校への配置を中心としたシリーズだそうで、先日の『はだしのゲン』騒動のときにもにわかに注目が高まったとか。ハードカバーで値段が張りますが図書館で見かけたらぜひよろしくっっ!!
原爆といのち (漫画家たちの戦争) 手塚 治虫 中沢 啓治 赤塚 不二夫 谷川 一彦 貝塚 ひろし 金の星社 2013-03-04 by G-Tools |
戦争の傷あと (漫画家たちの戦争) 藤子・F・不二雄 樹村みのり 手塚治虫 北見けんいち 今日マチ子 巴里夫 西岸良平 北条司 滝田ゆう 金の星社 2013-04-04 by G-Tools |
戦場の現実と正体 (漫画家たちの戦争) 水木しげる 手塚治虫 楳図かずお 古谷三敏 松本零士 比嘉慂 白土三平 秋本治 金の星社 2013-04-06 by G-Tools |
未来の戦争 (漫画家たちの戦争) 石ノ森章太郎 星野之宣 山上たつひこ ひらまつつとむ 諸星大二郎 松本零士 手塚治虫 藤子・F・不二雄 金の星社 2013-04-06 by G-Tools |
子どもたちの戦争 (漫画家たちの戦争) ちばてつや 巴里夫 永島慎二 わちさんぺい 小沢さとる あすなひろし 石坂啓 弘兼憲史 金の星社 2013-04-04 by G-Tools |
別巻資料 (漫画家たちの戦争) 宮部精一 黒沢哲哉 竹内オサム 梶井純 金の星社 2013-04-06 by G-Tools |
最後に、現在公開中の手塚治虫公式サイトのコラムはこちら↓↓ 最近、ネットで"中二病"という言葉がしばしば使われますが、そんな言葉が生まれるより遙か前、1970年代の手塚マンガにも中二病的な作品があった!? 今回はそんなイマとあのころをつなぐコラムです。無料で読めますので、お時間のある方は下の画像をクリックしてお読みいただけたらうれしいです。
投稿者 黒沢哲哉 : 19:49 | コメント (0) | トラックバック
2012年12月24日
ネームれない日々
この週末はずっと単行本コミック企画のシナリオを執筆している。
とある作家の作品をマンガ化するシナリオの仕事なんだけど、特殊なのは文章で書くいつもの脚本形式の原作とは違って、下の画像のようにネーム形式にしてマンガ家さんにお渡しするってコト。ネームというのはセリフやおおまかな絵を入れてコマ割りまでした下描きである。
実はこうした形式で原作を書く仕事っていうのは初めてじゃなくて、ごくたまにある。直近だと去年、学習マンガの原作をこのスタイルで単行本1冊分あげたのだった。
だけど1冊丸々というのはやっぱり珍しくて、たいていは新連載の立ち上げ時のイメージをマンガ家さんに理解していただくための数ページのパイロット版を描くとか、トリックネタなどで細かいカットの流れを伝えなければならないときに必要な部分だけを描くとか。せいぜいその程度なわけです。
それが丸々1冊分でしかも学習マンガじゃなくて大人向けマンガの仕事というのは初めてである。
だけどこれって文章で原作を書くときの勉強にもなるなぁ。
いつも文章で書くときには、アングルの工夫とかコマ割りによる効果とか、マンガ家さんにおまかせしちゃっているところまでぼくがやらなくちゃいけないのでごまかしがきかず、いつもどれだけ漠然としたイメージだけで書いていたかが良く分かるという感じ。
発行は来年春の予定です。詳細が発表できるようになったらもう少し具体的なことを書きますね。
投稿者 黒沢哲哉 : 01:13 | コメント (2) | トラックバック
2011年8月17日
勝川克志先生原画展見学など
毎日お暑うございます。電力節約の夏、皆さまの熱中症対策は万全でしょうか。
といいつつ、ぼくは昼間はエアコン28度で付けっぱなしです。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
7/26
14:00、手塚治虫公式サイトのコラム『虫さんぽ』の取材で新宿区四谷へ。
夕方、大急ぎで帰宅。今夜は江戸川で恒例の葛飾納涼花火大会が開催されるのだ。ここ数年は、毎年、柴又ハイカラ横丁を経営している友人Kさんのご厚意で、ハイカラ横丁屋上で花火を観覧させていただいている。今年は震災の影響で開催もどうなるかという状況だったが、葛飾納涼花火大会はいち早く開催を決定。復興に大いに寄与していただきたい。ということで、今回は参加者も少なめにはなってしまったが、それでもぼくを含め6人の仲間が集まった。
天気も良く気温も比較的涼しくて弱い風が吹いているという絶好のコンディションで、花火も存分に楽しめた!
7/27-28
この両日は今年のぼくの唯一の夏休み。地元の友人2人と連れだって東京ディズニーランドへ遊びに行き、その夜はぜいたくにもディズニーランドオフィシャルホテルのシェラトングランデ・トーキョーベイに1泊。大いにリフレッシュしてまいりました~。シェラトンは2003年と2004年にもTDLとセットで泊まったことがあって、建物は広いし雰囲気がイイのでお気に入りのホテルなのだ。もっともディズニーランドは曇りでも暑くてフラフラでしたけどねーっ。
7/29
14:00、電車で神保町へ。小学館出版局編集T成さんと学習図鑑の最終校正打ち合わせ。いやー長かった学習図鑑の仕事もようやくこれにて終了だっ。
その後、小学館クリエイティブ編集部へ行き、校正紙に訂正部分の赤入れをして編集担当M形さんに渡して責了だっ。責了(せきりょう)というのは、出版印刷用語で「ぼくの責任は果たしましたので、あとはモロモロうまくやっといてください」という意味。まーでも後から写真が間違ってるとか数字が違ってるとか、イロイロ言われる場合もあるんですけどね。まあまず大丈夫でしょう(笑)。
8/2
タイで発行されている『アジアの雑誌』の連載コラム第3回の原稿を執筆する。
『アジアの雑誌』は、以前、コラム『あの日の僕に帰りたい』を連載させていただいていた『G-Diary』の編集長が新たに立ち上げた新雑誌で、ぼくは『G-Diary』から移籍してこちらの新雑誌でも昭和レトロなコラムを連載させていただくことになった。今回の原稿はその第3回目。現在は創刊号が発売されていますので、アジアンな旅がお好きな方にオススメです。
アジアの雑誌 夢野狂作 キョーハンブックス 2011-07-20 by G-Tools |
8/1
手塚治虫公式サイトの連載コラム『手塚マンガあの日あの時』第17回が公開された。今回のテーマは、WOWOWで手塚治虫原作のドラマ『人間昆虫記』が始まったのに合わせて、手塚治虫の青年マンガの変遷である。青年向けコミックというジャンルすらなかった昭和30年代から、『ビッグコミック』などの本格青年マンガ雑誌が創刊された時代まで、手塚治虫はいかにして自身の青年コミックのスタイルを確立していったか。そんなことを豊富なビジュアルを交えて振り返っています。無料で読めますので興味のある方はぜひ!!
外部リンク:
手塚治虫公式サイト
『手塚マンガあの日あの時』第17回:手塚流青年マンガ誕生の軌跡を追え!
※新しいウィンドウが1枚だけ開きます。
8/4
13:00、電車で新座へ。手塚プロダクション第1スタジオで打ち合わせ。
16:30、電車で四谷へ。新宿歴史博物館へ行き、コラム『虫さんぽ』に使用する資料を借用する。
8/5
12:00、電車で曙橋へ。新宿歴史博物館へ行き、昨日お借りした資料を返却する。
14:00、電車で九段下へ。ミリオン出版で『漫画実話ナックルズ』編集N島さんと、次回マンガ原作打ち合わせ。
8/7
手塚治虫公式サイトコラム『虫さんぽ』第18回の原稿を執筆。今回は、以前取材しすでに記事として公開済みの四谷編に新情報が得られたため、再度の取材となったもの。そこで明らかになった真実とは......!? 公開は9月1日予定です。
8/9
マンガ家の赤松健先生が運営されている、コミックをWeb上で無料で読めるサイト「Jコミ」で、新たにぼくの原作作品がまた公開されました!
今回公開していただいたのは、1998年に集英社の雑誌『MANGAオールマン』の読み切り作品として始まり、その後、『Oh!スーパージャンプ』に連載された『HAIKARA事件帖』(作画/里見桂)です!! 全5巻がまるまる無料で読めますのでぜひアクセスしてご覧ください。
外部リンク:
Jコミ トップページ
『HAIKARA事件帖』全5巻 公開ページ
※新しいウィンドウが1枚だけ開きます。
8/10-11
『漫画実話ナックルズ』のシリーズ連載・死刑囚の最期シリーズ最新作の原作を執筆。今回はタイトなスケジュールだったにもかかわらず、あまり展開に苦労することなくまとめることができた。
8/14
15:00、電車で阿佐ヶ谷へ。集英社編集I澤氏と待ち合わせ。駅前の喫茶店で次回の企画打ち合わせ。
打ち合わせ後、連れだって別の喫茶店へと向かう。行ったのは阿佐ヶ谷南口パールセンター街というアーケード商店街の中にある喫茶店Cobu。現在、ここでマンガ家の勝川克志先生の原画展が開催されているのだ。
I澤氏と打ち合わせの日程を電話で調整した際、I澤氏がこの日に勝川さんの原画展に行かれるということだったので、それならぼくも開催中に行く予定だったから同じ日に打ち合わせをしてしまいましょう、となったのだ。
会場の喫茶店は、何と洋品屋さんの店の奥にあってちょっと分かりにくいが、I澤氏が阿佐ヶ谷に詳しかったため、迷うことなく到着。30人ほど入れる店内はけっこうなお客さんがいて、ほとんどが原画展のお客だった。その真ん中当たりに勝川先生もいた。この日は会場に来ておられるということで、この日を選んだのだ。
原画は、描き下ろしが8割ほどで、空想のロボットや少年の日の遊びの風景などを絵にした懐かしいカラー原画が30~40点ほど展示されていた。また最新刊の『まんが落語ものがたり事典』(くもん出版)の原画も展示されていた。描き下ろしの原画は一部販売されているものもあり、すでに売約済みのマークがあるものも何点かあった。
勝川さんのカラー原画は色のバランスが見事で、それを原画で見るとさらに迫力があってすばらしいものでした。
原画展は来週まで開催されていますので、お近くで興味のある方はぜひ!
勝川克志原画展
会場:喫茶店 ギャラリーカフェ Cobu (03-3316-0241)
会期:8/4-23日 各日10:00-20:00
しばらく原画を見ながらお茶を飲み、芳名帳にサインしたりしながらまったりした後、この日はお盆だったため18:00でお店は閉店。ぼくらは勝川先生と連れだって居酒屋へと移動して飲み会に突入した。飲み会に参加したのは勝川先生、I澤氏、ぼくの他、勝川先生と親しいマンガ家仲間や、アニメーターの方など、個性的でとても楽しい面々ばかりで、とてもいい時間を過ごさせていただいた。
あー、もう今日は仕事しなくていいや(笑)。
8/15
午後、友人がスマートフォンを買いたいのでドコモショップへつきあってくれと言うので、車で向かう。
友人はパナソニックとNECで迷っていたようだが、店頭で両方を触ってみて最終的に決めたのはパナソニックの2011年夏モデル P-07Cだった。4.3インチの大画面液晶で片手でも操作できるインターフェイスなどに工夫がある。
ぼくも少し触ってきたけど、ガラケーに慣れた手にはやっぱりかなり大きく感じるし、ジャマな印象。タッチパネルも慣れない感じ。確かに大画面液晶は見やすくて情報量も多く魅力的なんだけどね-。まー、ぼくはもう少しガラケーでいいや(笑)。
8/16
本日、『漫画実話ナックルズ』10月号発売。この号にはシリーズ連載の実話コミック死刑囚の最期 FILE8 『連続射殺魔と呼ばれた男・永山則夫』(作画/武富健治、原作/黒沢哲哉)が掲載されています。
漫画実話ナックルズ 2011年 10月号 [雑誌] ミリオン出版 2011-08-16 by G-Tools |
8/17
午後、車で家を出る。向かったのは埼玉県新座市にある手塚プロ第1スタジオ。今日は手塚治虫公式サイトのコラム『手塚マンガあの日あの時』の取材で、手塚プロ資料室長の森晴路さんにお話をうかがうのだ。手塚治虫に関しては知らないことのない(?)森さんからは、この日も非常に興味深いお話がうかがえたのだが、あまりにも内容が濃いため、整理が大変だ......なんてぜいたく過ぎますね。
投稿者 黒沢哲哉 : 22:41 | コメント (2) | トラックバック
2011年5月17日
Jコミの絶版コミック公開第2弾!
絶版マンガの無料公開を行っているサイト「Jコミ」で、ぼくが原作を書いた昔のコミック2作品を新たに公開していただきました~!!
今回公開していただいたのは、1998年に里見桂先生と組んで『週刊少年サンデー』に発表した読み切り『とどけ!過去への伝言』と、1990年に、同じ里見桂先生とのコンビで『少年サンデー増刊号』に連載した『タイムアンドアゲイン』の2作です。
『とどけ!過去への伝言』は今回、2バージョン公開していただきまして、いま言った1998年の『週刊少年サンデー』31号に公開された全50ページのオリジナル版(下)がひとつ。
そしてもうひとつが、1994年に月刊誌『コンバットコミック』(日本出版社)に、前後編に分け、新たに前編のプロローグと後編のクライマックスを里見先生に描き下ろしていただいて全57ページとなった『過去への伝言』再録版(下)となります。
そしてこちらは、1990年『少年サンデー増刊号』7~12月号に連載された『タイムアンドアゲイン』(下)。コミックスは徳間書店から全1巻で刊行され、Jコミではそのコミックス版を公開しています。
いずれもタイムトラベルもののSFで、ちょっぴり懐かしい昭和チックな物語になっています。Jコミのサイトですべて無料で読めますので、お時間のある方はぜひ、下のリンクから読んでみてください。
ちなみに公開から間もなく2ヵ月近くがたつ『プレイヤーは眠れない』(作画/正木秀尚)は、おかげさまで現時点で6万アクセスを超えておりまして、コミックスのかつての発行部数の2倍を超えました。
Jコミは現在も新しい作品が続々と公開されており、ぼくもぜひ応援していきたいと想ってます。どうぞよろしく~~~~。
外部リンク:
・Jコミ・トップページ
・『過去への伝言』&『タイムアンドアゲイン』(作画/里見桂、原作/黒沢哲哉)
・『プレイヤーは眠れない』(作画/正木秀尚、原作/黒沢哲哉)
※新しいウィンドウが1枚だけ開きます。
投稿者 黒沢哲哉 : 23:17 | コメント (4) | トラックバック
2011年4月15日
『プレイヤーは眠れない』無料公開開始っっ!
絶版マンガ共有システムを展開しているサイト『Jコミ』で昨日の夜から、ぼくが19年前に原作を書いたマンガ『プレイヤーは眠れない』(作画/正木秀尚)の無料公開が始まりました~~。
Jコミというのは、マンガ家の赤松健先生が運営しているホームページで、絶版となっているマンガを作者の許諾を得て広告付きで無料公開するという画期的な試みを行っているサイトです。少し前から赤松先生が自分の作品などを無料公開してテスト運用を行っていて、今月の12日から正式サービスが始まったばかりです。
その正式サービス開始後の記念すべき公開第1弾として、ぼくの原作の『プレイヤーは眠れない』を公開してくださったのです。
このサイトの画期的なところは、ただ作品を広告付きで無料公開するというだけでなく、ネット上にすでに流出してしまっているマンガの違法ファイルをネットユーザーからJコミに送ってもらい、その中から作者の許諾が得られたものについて広告を付加して再び公開するという試みを行っているところです。これをJコミでは違法マンガファイル浄化計画と名付けています。
すでにネット上に拡散してしまった違法ファイルを回収することはできませんが、違法ファイルとまったく同じものが合法で公開されていれば多くの人が合法の方を選びますよね。そうして読者は合法的に無料で作品を読むことができ、作者も利益が得られるという実に画期的なシステムなのです。しかもユーザーからのアップロードがあれば、Jコミや作者の側でマンガをスキャンする手間も必要ないという。さらには公開する作品を絶版マンガに限っていることで既存の出版社にも不利益はないという。まさに三方一両得の名大岡裁き!!
ぼくがこのJコミの活動を知ったのは3月の初めごろでした。知り合いのマンガ家さん仲間で旅行に出かけたとき、そこに参加されていた仲間のxiさんから教えていただいたのです(ありがとう>xiさん!)
帰宅後、さっそくサイトの紹介文などを詳しく読んで知れば知るほど画期的なシステムだと感動し、すぐにメールを出させていただきました。ぜひぼくの絶版マンガ『プレイヤーは眠れない』も公開してくださいと。
この『プレイヤーは眠れない』は1992年に『週刊ビッグコミックスピリッツ』に短期集中連載され、翌年、徳間書店で単行本化していただいた作品です。コンピュータネットワークの世界を舞台としているのですが、当時はパソコンがやっと普及し始めたばかりのころであり、Windowsも日本語版はいまだ3.0で、キャラクタベースのOSであるMS-DOSが主流の時代です。インターネットも日本では実験サービスがようやく立ち上がったばかりで、パソコンユーザーでさえ多くの人がその名前すら知らないころでした。
ということで、あまりにも早すぎたため、一部では好評をいただいたものの、ほとんどの人にはあまり理解してもらえず埋もれてしまった作品だったのです。
でも作画を担当してくださった正木さんとのコミュニケーションもばっちりで、正木さんも非常に力を入れて描いてくださったこともあり、内容には自信があったから、ぜひどこかで再刊してくれないかな~と思っていたのです。
いや、思っていただけではなくて実際に知り合いの編集さんに本を見せて相談したりもしたんですけどね。
2009年の夏に『サマーウォーズ』というSFアニメ映画が公開されたときには、一部のブログなどで「昔読んだ『プレイヤーは眠れない』というマンガに似ている」と話題になっている、と教えてくれた友人がいて、これはいよいよ時代が俺に追いついたか!?(笑)と思ってもいたところなんですよ。
ということで、Jコミさんでネット公開していただくにはまずこの作品がぴったりだろうということで、正木さんにも電話で了解をいただき、先方にコンタクトを取ったという次第です。
そうしたところ、担当者の方からすぐにお返事をいただき、正式スタート後にはぜひよろしくお願いしますというお話をいただきました。
そして今月12日、Jコミが正式スタートしたところ、さっそくユーザーさんからマンガファイルのアップロードがあったそうで、その中に偶然にもぼくがJコミにお願いしていた『プレイヤーは眠れない』があったので早々に公開したいとの連絡をいただいたのでした。もちろんぼくの方としては大歓迎ですので、正木さんにも連絡を取り、幸運にも光栄にも、Jコミの正式スタート第1弾として公開していただく運びとなったのです。Jコミの中の人たち、ありがとうございます!!
公開後はさっそくツイッターで続々と反響や感想が寄せられ、Jコミの活動への注目の高さをあらためて知りました。この作品を当時読んで覚えていてくださった方もたくさんいて、それもとてもうれしかったです。ここで初めて読まれた方にも気に入っていただけるとうれしいな~。紙の本と違って品切れはありませんので、いつでもお好きな時にお読みいただけます。19年前の作品ではありますが、今だからこそ分かっていただけるネタなども満載かと思います。全1巻完結で194ページとわりと気軽にサクッと読める長さですから、ぜひお時間のあるときに読んでみてください。
Jコミのこの試みが成功すれば、マンガだけでなく小説などさまざまなものに応用が利くはずです。『プレイヤーは眠れない』以外にも無料で読める絶版マンガがいろいろ公開されていて、今後もその数は増えていくそうですから、ぜひぜひ皆さん、アクセスよろしくですぅ~~~~。
参考リンク:
Jコミトップページ
『プレイヤーは眠れない』公開ページ
※新しいウィンドウが1枚だけ開きます。
投稿者 黒沢哲哉 : 00:36