『オースティン・パワーズ』 (1997年 アメリカ作品)

原題/AUSTIN POWERS:INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY
監督/ジェイ・ローチ
製作・脚本/マイク・マイヤーズ
プロデューサー/スザンヌ・トッド他
出演/マイク・マイヤーズ、エリザベス・ハーレー、マイケル・ヨーク
カラー 95分
 ダサかっこいいというのだろうか、マイク・マイヤーズのニタニタ笑いとトボけた動きはそれだけでおかしい。
 ぼくはばか騒ぎ映画はあまり好きではなく、例えば『ポリス・アカデミー』的なものはまったく受け付けない。
 そしてこの映画も実はそうした無内容なばか騒ぎ映画の仲間ではないかとタカをくくっていたのだが、いやはや、それどころか、コメディ映画の伝統をしっかりと踏まえ、そこにおバカを乗っけて新感覚のギャグをスパークさせた、大爆笑の傑作コメディなのだった。
 主人公の有名カメラマンであり国際諜報員でもあるオースティン・パワーズと、敵対する悪の首領イーヴルの2人を、何とマイク・マイヤーズが1人2役で演じるというパワフルさには完全に脱帽。
 物語は、1967年に人工冬眠に入って人工衛星に乗り、宇宙へ逃げた悪人イーヴル。その彼が再び地球へ戻ってくる日のために、国際諜報員のオースティンも人工冬眠に入った。そして1990年代、ついに宇宙から帰ってきたイーヴル。そこで英国政府はオースティンを解凍することにした。
 現代によみがえった60年代感覚の悪人とエージェントのアナクロな戦いがここにはじまる。
 といってもいたずらに時代錯誤ギャグを連発するわけではなく、サイケデリックなファッションなどに60年代感覚を持たせているだけで、あとは新手のスピード感あふれるギャグが連鎖する。随所に盛り込まれた007映画のパロディも楽しい。
 こいつは続編の『オースティン・パワーズ・デラックス』も楽しみですね。



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