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『国際秘密警察 火薬の樽』 (1964年 東宝作品)

監督/坪島孝
製作/田中友幸、武中孝一
脚本/関沢新一
撮影/山田一夫
美術/植田寛
音楽/広瀬健次郎
出演/三橋達也、佐藤允、星由里子、若林映子、水野久美、田崎潤、中丸忠雄
カラー シネマスコープサイズ 98分
 ミサイルを誘導できる画期的な誘導光線装置・ゼーター線を研究している竜野博士(田崎潤)が、世界統一同盟という悪の組織に狙われた。それを察知した国際秘密警察は、さっそく北見次郎(三橋)を派遣。調査に乗り出した。
 和製ジェームスボンドといううたい文句の東宝スパイアクション、国際秘密警察シリーズの第3作目だ。
 この国際秘密警察シリーズは、かつて小学校の頃、テレビ東京で平日朝の10時ごろから放送されていた映画枠で、学校を休んだときに見た記憶がかすかにある。内容はほとんど覚えてなかったけどね。でもって今回は、その頃以来30数年ぶりの再見ということになる。
 ということで大人になった今の目で見ると、設定はかなり幼稚でスパイ小道具もチープ、さらには三橋と佐藤允演じる柳生警部との、当時は軽妙だったであろう会話も、ややテンポが遅いといった感じ。まあ、これは仕方のないことなんでしょうけどね。
 ということで、それらを多少割り引いて見れば、どうしてどうして、東宝流のスマートな演出はむしろ今の映画よりのびのびとしているし、三橋の端正なキャラと佐藤の無骨なキャラの絶妙なコントラストもなかなかイイ。オリジナリティあるドライなコメディに仕上がっていると言えるだろう。
 またサスペンスの盛り上げ方と、絶体絶命の状況から如何に脱出するかというアイデアもなかなかgood! これは恐らくシナリオの関沢新一の功績だろう。
 因みに、国際秘密警察シリーズは、1963年の『国際秘密警察 指令第8号』から67年の『国際秘密警察 絶体絶命』まで全5作品が作られたという。他の作品も当時テレビで見たはずなんですけどねー、残念ながらどれも全く記憶にございません(笑)。機会があったらまた再見して紹介したいと思います。

(2003/09/29)

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