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柴又名画座
No.202
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『逃亡列車』
(1966年 日活)
企画/柳川武夫
監督/江崎実生
脚本/池上金男、宮川一朗
原作/渡辺明
撮影/横山実
音楽/山本直純
美術/大鶴泰弘、坂口武玄
出演/石原裕次郎、伊藤雄之助、十朱幸代、伊藤るり子、玉川伊佐男、木島一郎、小松方正、潮万太郎、本郷淳、武藤章生、中尾彬
カラー シネマスコープサイズ 96分
太平洋戦争敗戦直前の中国。逃亡兵の逮捕を命じられた若い指揮官・有坂少尉(石原)と寄せ集めの部下たちが、1両の古い蒸気機関車で、抗日ゲリラが跋扈(ばっこ)する大陸奥地へと向かう。ところが、ゲリラの攻撃で蒸気機関車は故障。逃亡兵は、負傷して日本人の女医・倉吉(十朱)にかくまわれているところを見つけたものの、間もなく日本はポツダム宣言を受諾して敗戦となり、有坂ら一行は、ゲリラに取り囲まれた土地から脱出しなければならなくなった!!
太平洋戦争末期の混乱した時代を背景にした、日本では珍しい冒険映画である。ただ、基本設定も個々の人物も魅力的ではあるのに、前半は残念ながら展開のスピードが遅く冗長なのが惜しい。
ただしその分、中盤からは話のスピードがどんどんと増していき、見どころも多くなっていく。ゲリラに囲まれた平原のド真ん中の小さな駅で、有坂らが故障した機関車を何とか修理して脱出をしようと試みるあたりはタイムリミットが迫るサスペンスと相まって実に面白い展開だ。
中国人の商人・李元成、しかし実は日本人の大陸浪人という個性的な役を演じる伊藤雄之助の怪人物ぶりも、ありがちなキャラクターながらハマリ役だろう。
ところでこれは余談だけど、ネタばれするといけないので詳しくは書かないが、故障した機関車を修理するために流用した部品というのは、あれでホントに修理できるのか、疑問だな。
(2002/09/09)
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