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『モンスターズ・インク』 (2001年 アメリカ作品)


(C)DISNEY/PIXAR
原題/Monsters,Inc.
監督/ピート・ドクター
共同監督/リー・アンクリッチ、デヴィッド・シルバーマン
製作/ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮/ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン
脚本/アンドリュー・スタントン、ダニエル・ガーソン
音楽/ランディ・ニューマン
声の出演/ジョン・グッドマン、ビリー・クリスタル、メアリー・ギブス、スティーブ・ブセーミ
声の出演(日本語吹替え版)/石塚英彦、田中裕二
カラー ビスタビジョンサイズ 92分
※今回テキストとしたのは、日本語吹替え版
 劇場で予告編を見て、ぜひ映画館で見たいと思っていた作品だった。同じPIXERが製作した『トイ・ストーリー』と『トイ・ストーリー2』は、映像的には新鮮だったものの、ストーリーだけを抽出してみれば実に単純な話で、表情や仕草などのキャラクターの感情表現もまだまだセルアニメに及ばないレベルの多分に実験的な作品だった。しかし今回は、ストーリーの前評判がかなり良かったので、非常に期待が高かったのだ。
 で、実際に見た結果はどうだったかというと、ストーリーは今回もかなりシンプルなものだったけど(笑)、キャラクターの感情表現などが格段にこまやかになり、主人公を演じるサリーとマイクのコントラストも巧みになっていた分、演出に余裕が生まれたのか、こまやかな気配りがあって、ダレることなく最後まで楽しめた。
 怪物世界と人間世界をつなぐ出入口がドラえもんのどこでもドアを思わせる1枚のドアになっているところなど、ドラえもん世代の子どもには、特に入りやすい世界観の設定と言えるだろう。逆に言うと、これが話の軸になっているというのは、ちょっと安易な気もしちゃうけどね。
 また、これをフルCGアニメーション映画という肩書きを抜きにして評価しようとすると、やはり何となく物足りなさが残るのも事実である。上にも書いたように、やはりストーリーがシンプル過ぎるのである。これはシナリオに由来するものなのか、あるいはCG特有の作り物臭さがそう感じさせているのか、ちょっと即断できないけど……。

(2002/03/09)


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