しかし、言い方を変えると、子供特有の残酷さに名を借りて自分の願望を映像化するというのは、ある意味ズルイやり方だ。大人が演じると生々しくなることを子供にやらせて強引にファンタジーに見せかけてしまうというのは、映画の世界にありがちなまやかしの手段であり、この映画も危うくその陥穽に落ち込みそうになっている。
しかしその奈落の淵でそこへ落ちるのをかろうじて押しとどめたのは、当時12歳だったというエヴァ・イオネスコの悪魔的な美しさだろう。彼女の妖精的な美貌は感動的なほどで、彼女をおいてシルビアの役はあり得ない。
追記(2003/10):その後、この DVD は発売中止になってしまったようです。残念。