(1988年刊) |
(1974年刊)
|
因みに清田益章くんのスプーン曲げは、ぼくは目の前10数センチのところで見たことがある。今から十数年前、清田くんがあるホームパーティに来ていて、そこで彼が手元のスプーンの柄をさすり出すと、それが見る見るうちにクルクルッとねじれてしまったのである。そのとき清田くんはぼくの隣の席で、曲げたスプーンは、その家の主人が用意した揃いのものだったので仕込みの可能性はない。あれはゼッタイにトリックなしの本物の超能力だったぞ。みんな、この世に超能力がナイなんて思ってたら人生損するぞ。ホント。
というわけでそのころの話を続けると、清田くんのスプーン曲げを目の前で見たぼくは、あまりにも興奮醒めやらぬため、当時SFマガジンに書評を書いていた友人Iを深夜のファミレスに呼び出してこの話をした。すると偶然なことにIはちょうど清田くんの超能力に関する本の書評を依頼されている最中だったのだという。
この偶然の重なりにも不思議なものを覚えたぼくとIは、そのファミレスのティースプーンを二人して30分ほどひたすらさすりまくったのだった。そして、もう1本の「超能力をかけていない」スプーンとくらべてみると、何と、ぼくとIが「超能力をかけた」スプーンの方は若干曲がっているではないか!! だが、「超能力をかけた」方のスプーンが、最初にどんな角度だったかを確かめ忘れていたため、超能力で曲がったのかどうかの確証を得ることはできなかった。