1/8 17:00 小田急線・玉川学園駅着。小林源文氏の家へは普段でも徒歩20分はかかる。タクシーで行こうと思ったが、タクシー乗り場は長蛇の列なので、あきらめて雪の中を歩くことにした。雪はますます降り積もる…。途中、2回転んだ。

19:00 小林氏の家を辞し、玉川学園駅へ着く。せっかく原稿をいただきにあがったのだが、途中でまた転んで原稿を台なしにしたら大変なので、原稿はいただかずに帰ってきた。
 駅では太ももあらわな女子高生が、寒そうに父が車で迎えに来るのを待っていた。
 ……なんて状況をのんきに撮影していたこの数10分後、本当の悲劇は始まったのだ。

19:30 遅れて到着した準急柏行きの上り電車は、何と1駅走った鶴川駅で停車。「雪のため上り電車は各駅に停車しております。復旧の目途は立っておりません」というアナウンスが流れる。
 しかしこの時点ではまだ「すぐに運行再開するだろう」と誰もがタカをくくっていた。
 ところが、電車はいっこうに動かず、それどころか「復旧作業のために一時停電させます」というアナウンスのあと、電灯と暖房が停止した。寒さが足元からじわじわとたちのぼってくる。
 駅の自動販売機はホットドリンクのみがアッという間に売り切れとなり、ただうつむいて寒さに耐える者、携帯電話で知人に助けを求める者など、さまざまな人間模様が展開する。
 駅のタクシー乗り場は当然長蛇の列で、どこにも逃げ場はない。数人乗っていた塾帰りの小学生は、塾の先生が他で拾ってきたタクシーで駅へ乗りつけ、塾へ泊まるために立ち去って行った。
 最初は座る場所もなかった車内は次第にガランとしてくる。画面奥で寒そうに寄り添う高校生のアベックは携帯を持っておらず、何度も公衆電話をかけるために電車を出入りしていた。女子高生は靴を脱いで濡れた靴下を乾かしている。

1/9 1:00 5時間半後、ようやく電車が動き出した。電車は代々木上原駅止まりに変更され、ここで後続の各駅停車新宿行きに接続。ぼくらはここでまた寒風吹き荒ぶホームへ放り出された。
 この時点までに女子高生はすべて途中駅で下車したり、家族が車で迎えに来て脱出したりしたらしく、わずか1人になっていた。女子高生は電車の中で仲良くなったらしいおっちゃんと談笑している。背中向きの男性は、何とかその会話に割り込もうとしているんだけど、相手にしてもらえない(笑)。

1:30 ようやく新宿へ到着。昨夜は夕食も食べていないため、目についたラーメン屋へ飛び込む。やっと落ち着いたけど、あいにく自宅までのタクシー代がない!!
 仕方なく、24時間営業のまんが喫茶で夜明かしすることにする。画面中央手前で本を読むお客さんは、『無責任艦長タイラー』などを書く作家の吉岡平氏ではないかと思うのだが、もう10年以上会ってないので、自信がなく、声はかけられなかった。

3:30 椅子の上でそりかえって苦しそうに眠る人。今にも倒れそうで面白いのでデジカメをかまえたら、急にガバッと起き上がって驚いた(笑)。
 ぼく自身はなぜか眠くならず、『おやこ刑事』1〜2巻と、『編集王』1〜12巻を読んだ。こんなにまとめてまんがを読んだのは久しぶりだ(笑)。

9:30 すっかり晴れた新宿の街へ出る。傘を持っている人はほとんどいない。そりゃそーだ。ちょっと照れながら帰宅する。
 このあと、ダメ押しの地獄として、ようやく帰宅した自宅の玄関トビラを開けるためにテンコ盛りの雪をどける作業が待っていた(涙)。

(QV-10Aで撮影)



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