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柴又名画座
No.247
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『男たちの大和 YAMATO』
(2005年 東映作品)
監督・脚本/佐藤純彌
製作/角川春樹
製作総指揮/高岩淡、広瀬道貞
原作/辺見じゅん
企画/坂上順
出演/反町隆史、中村獅童、鈴木京香、松山ケンイチ、渡辺大
カラー シネマスコープサイズ 145分
公開当時、前評判を聞いてずっと見たいと思っていた作品だった。
原作小説は読んでいないのだが、ストーリーはストレートに大和の出撃から沈没までを、いろいろな男たちの思いをカットバックさせながら描くというもので、偉そうに言っちゃうと、まあこれは予想通りの展開でそれ以上でもそれ以下でもなかったってコト(笑)。
そんな中で個性的な役を演じて光っていたのが、中村獅童演じる内田守二兵曹だ。彼の部下である新兵たちよりはるかにやんちゃで跳ねっ返りな青年を、自然な態度でガッツリと演じていて実にかっこよかった。実際は、当時こんなリベラルなことを公言する軍人がいたとはとても思えないのだが、現代の視点で描く戦争映画としては十分アリだろう。
ただ、今年に入ってからの例のふやけたスキャンダルを知っちゃった後で見たのは実に惜しい。あれで正直、彼の男気あふれた演技もマイナス30ポイントとなってしまった。
そう考えると役者っていうのは日常生活も大事なんだなぁ。何しろ過去に出演した映画のイメージまでおとしめてしまうんだから恐ろしいです。
そして期待の戦艦大和の表現だけど、細部の表現はリアルで良かったのだが、大和全体の大きさを印象付けるカットがほとんどなかったのが残念。原因はやっぱりコンピュータグラフィックスの薄っぺらさなんだろうな。ここはせいぜいカメラワークやカット割りで『タイタニック』くらいはがんばって欲しかった。
あるいは『ローレライ』のようにミリオタ(ミリタリーオタク)に協力してもらって、CGの薄っぺらさにはもう開き直っちゃって、それ以上にマニアックな表現をしても面白かったかも。そういう意味では今回は日本映画の伝統的な真面目さが出てしまったという感じですね。
戦闘シーンも佐藤純彌監督らしい過剰な血しぶき表現がドバドバで迫力たっぷりだったんだけど、実話なだけに「かっこいい!」という感想を言いにくいのが苦しいところだ。
ちなみに柴又名画座では2000年に、戦後間もない1953年に製作された
『戦艦大和』
を上映している。紹介カットとして、同じ出撃シーンをキャプチャーしてますので見くらべてみてください。
(2006/10/15)
男たちの大和 / YAMATO
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辺見じゅん 佐藤純彌 反町隆史
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