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柴又名画座
No.239
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『花と蛇』
(2003年 東映ビデオ作品)
監督・脚本/石井隆
プロデューサー/清水一夫
企画/石井徹、松田仁
原作/団鬼六
撮影/佐藤和人、小松高志、柳田裕男
美術/山崎輝
音楽/安川午朗
出演/杉本彩、石橋蓮司、野村宏伸、遠藤憲一、未向、伊藤洋三郎
カラー ビスタサイズ 115分
団鬼六の原作を石井隆監督、杉本彩主演で製作し、公開時にはかなり話題になった作品だ。
若き実業家遠山(野村)の妻にして、世界的なタンゴダンサーの静子(杉本)。彼女は仕事人間の夫との冷めた関係に悶々とする日々を送っていた。ところがある日、彼女は夫の借金の形に売られ、金持ちたちの秘密クラブでSMショーをやらされるハメに。衆人環視の中で果てしなく続く陵辱の嵐。やがて静子は倒錯した性の快楽に溺れていく……。
『花と蛇』は過去にも何度か映画化されていて、1974年公開の小沼勝監督、谷ナオミ主演の日活ロマンポルノ作品の評価が高いらしい(ちなみに谷ナオミの初主演作)……けど残念ながらぼくは未見。
で、今回の作品はというと……、まず、吹き替えなしで最初から最後まで裸で出ずっぱりの杉本彩には感心しましたね。堂々とした脱ぎっぷりはいさぎよく気持ちがいい。両腕を縛られて前と後ろに同時に張り方を入れられておしっこを漏らす、なんてそんな演技、かなりのスキャンダル女優でもやらないでしょう。
清楚で知的な女性の乱れた姿を見てみたいというのは男の根源的な願望とも言える。そんな興味を最後まで引っ張り続ける石井隆の、思い切りエグくてスマートな脚本と演出にもブレはない。
参考DVD
杉本彩版
『花と蛇』
谷ナオミ版
『花と蛇』
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ただ……根本的に気になるのは、杉本彩がセレブな女性を演じるということなんですよ。興行的には杉本彩がこの役を演じるというのは話題性もあるし狙いもぴったりだったんだとは思うけど……。事実メディアでもいろんな人がこの映画を話題にしていたし。
しかしやはり彼女の魅力を本当に生かそうと思うならこの原作ではなかったような気がする。杉本彩ならば、もっとワイルドで獣のようなセックスが大好き、というようなキャラクターを演じる方が、彼女にとっても中途半端なセレブを演じるよりはずっと素直でいい芝居が出来たのではないだろうか。
今回の映画が始めに企画ありきだったのか主演ありきだったのかによっても大きく変わってくるとは思うが、それはともかく杉本彩さん、こんなエッチな映画にも出演OKならば、もっといろんな企画作品に登場していただきたい。今後に期待です。40点!
(2005/06/22)
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