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柴又名画座
No.147
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『豚と軍艦』
(1961年 日活)
企画/大塚和
監督/今村昌平
脚本/山内久
撮影/姫田真佐久
音楽/黛敏郎
美術/中村公彦
出演/長門裕之、吉村実子、三島雅夫、小沢昭一、丹波哲郎、山内明、加藤武、殿山泰司、西村晃、南田洋子、中原早苗
モノクロ シネマスコープサイズ 108分
今村昌平監督の初期の代表作。米海軍基地がある横須賀を舞台に、チンピラやくざの欣太(長門)が、やくざ組織に翻弄されながらも、必死に生きるさまを、皮肉と愛情と
諧謔
(
かいぎゃく
)
精神たっぷりに描いた骨太な作品だ。
…などと偉そうに書いているが、実はぼくは、今村監督作品とはなぜかめぐりあわせが悪いらしくて、嫌いなわけじゃないのに、あまり本数を見ていないんだよね。ということで、恥かしながら、この映画も見るのは今回が初めてなのだった。
しかしやはり代表作と言うだけあって、これは文句ない力作であった。どの人間からもギラギラした生のエネルギーが感じられるし、みんな必死に生きている。そして、注目すべきなのは、それぞれがバラバラに好き勝手に生きているようでいて、実は、そのすべてがひとつのアンサンブルを奏でているところに、今村昌平の演出力を見るのである。このあたりから、ぼくはいつもアメリカのR・アルトマン監督の演出術に通じるものを感じるのだがいかがだろうか。
(2000/08/11)
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