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柴又名画座
No.144
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『ガメラ 大怪獣空中決戦』
(1995年 大映、日本テレビ、博報堂)
監督/金子修介
製作総指揮/徳間康快
脚本/伊藤和典
撮影/戸沢潤一
音楽/大谷幸
出演/伊原剛志、小野寺昭、中山忍、藤谷文子、本郷功次郎、蛍雪次朗、本田博太郎、渡辺裕之
カラー ビスタビジョンサイズ 95分
実は、かつての怪獣映画ファンとしては、恥かしながら、この作品、見るのは今回が初めてである。
東宝の最近の怪獣映画が低調なのにくらべて、かなり評価の高かったこの新作ガメラだけど、正直に言うと、やや期待外れだった。やっぱり、あまり前評判を聞かないうちにロードショウを見るべきでしたね。
確かに、怪獣と人間の距離感の取り方は、東宝作品にくらべてはるかに計算された見事なものになっている。カメラアングルなどもちゃんと人間の視点から撮られているし。だが、いかんせん映像がテレビ的なので、どうしても作品の世界に入りきれない。
これは低予算だからという意味ではない。例えば、ガメラが足から火を噴いたり、ギャオスがレーザー光線を吐いたりすると、それだけでもうウソ臭い気がしてしまう。つまり、世界観の作りこみ方が甘いのだ。
また、途中でガメラが人間を助けると、主人公たちが、早々と「ガメラはいい怪獣」と判断してしまうシンプルな価値観も幼稚すぎる。
それに、そもそもガメラはなぜ無償で人間の味方をするのか、それがよくわからない。それについて、作中にはいちおうの説明はあるが、取ってつけたようなもので、作品の深さを示すものではない。
ということで、珍しく厳しい評価になってしまったが、ぼくは、最近の話題作や評判の作品に関しては、ついつい点が辛くなる傾向があるので、あまり気にしないでいただきたい。実際、けっこう楽しめたんだから、これはこれでいい映画だったのです。東宝も、せめてこれくらい作ってほしいよね。
ということで、来月は『ガメラ2』を見ようと思います。
(2000/07/26)
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