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柴又名画座
No.142
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『学校の怪談4』
(1999年 東宝=サンダンス・カンパニー)
製作/藤峰貞利、高井英幸
監督/平山秀幸
脚本/奥寺佐渡子
原作/常光徹、日本民話の会
撮影/柴崎幸三
音楽/宇崎竜童
音楽プロデューサー/高桑忠男
美術/中澤克己
出演/豊田眞唯、広瀬斗史輝、笑福亭松之助、原田美枝子、皆川優紀、坂井英人、竹島由夏
カラー シネマスコープサイズ 99分
『学校の怪談』シリーズの第4作。今回の作品は、前作までの、遊園地のお化け屋敷的な雰囲気から一転して、本格的なホラーを目指したという話をかねてから聞いていた。また、それとは別に「泣けるよ」という話も聞いていたので、それがどのように結びつくのか、とても興味深かった。
結論からいうと、確かに今回は、ゴーストバスターズのコピーのようなうるさい化け物は登場せず、お笑い的な幽霊や、おどかし的な演出もほとんどない。ストーリーと演出で恐怖を見せようとしている工夫がはっきりと見られた。それでいて『学校の怪談』シリーズとしてのカラーを守っているあたりは実に見事だった。
しかし、幽霊と仲良くなるというこの『学校の怪談』シリーズお決まりのパターンが今回はさらに強く前面に出ていて、それがファンタジーだといえばそうなのだが、なぜか釈然としないものがあるのも確かだ。このあたり、ぼくは怪奇映画に関してかなり保守的な考え方を持っているので、かなり人によって意見の別れるところだとは思うけど。
どうも抽象的な言い回しになってしまうが、ここで具体的な結末を書くわけにはいかないので、この映画を見た方、ぜひ意見をぶつけ合いましょう。
また、何はさておいても、主人公の東京から来た少女を演じた豊田眞唯の、凛とした演技から目が離せません。撮影時の年齢が10歳。その堂々とした演技には感動だ。前作までの主役を演じた前田亜季が成長してしまったから、これからあと2本は彼女の主演で決まりですね。ぜひ平山監督には彼女の主演で『学校の怪談5』を撮っていただきたいものです。
それから、夏休みをテーマにしているということで、現在プレイ中のプレイステーション用ゲーム
『ぼくのなつやすみ』
とイメージがダブってくるのも興味深かった。どちらも“ちょっと懐かしい田舎の夏休み”を題材にしているからなんだけど、日本人の考える夏休みの記憶というものには、多く共通するものがあるんでしょうね。両方見ると、両方楽しめます。
因みに、柴又名画座ではちょうど1年前に
『学校の怪談』
第1作を上映しています。
(2000/07/15)
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