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柴又名画座
No.140
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『戦艦大和』
(1953年 新東宝)
監督/阿部豊
脚本/八住利雄
原作/吉田満
撮影/横山実
音楽/早坂文雄
出演/高田稔、藤田進、佐々木孝丸、船橋元、見明凡太郎、片山明彦、高島忠夫、和田孝、菅沼正、小笠原弘、中山昭二、久我美子、嵯峨美智子、関千恵子
モノクロ スタンダードサイズ 101分
太平洋戦争末期、逼迫した戦況の中で、大和が護衛の航空機もなく、片道燃料を積んで沖縄特攻するまでの悲劇を描いた物語だ。
昭和28年の製作ということで、反戦色が前面に出た作品であるが、興味深いのは、まだ戦争が終わって間もない時期であるため、「人類には敵も味方もないのだ、憎むべきは戦争そのものなのだ」という立場で描かれた反戦映画ではなく、「戦争によって日本人にはこんなに犠牲者が出た」という悲劇を描いた反戦映画である点だ。恐らく当時は、この両者の違いには誰も気づいていなかったんだろうな。
それと肝心の戦艦大和の描写であるが、洋上を行く大和のシーンは、さすがに今から見るとかなりチャチであるのは仕方ないだろう。しかし、部分的には実物大のセットが組まれているし、何より戦争体験者が多くいた時代の戦争映画には、ディティールに本物ならではの迫力があることが見逃がせない。何気ない敬礼の仕草などが、最近作られた太平洋戦争の映画とは根本的に違うのである。
(2000/07/07)
戦艦大和
DVD
阿部豊 高田稔 藤田進
ジェネオン エンタテインメント 2000-08-25
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