Top
柴又名画座
No.139
Back
『影なき男』
(1934年 アメリカ作品)
原題/THE THIN MAN
監督/W・S・ヴァン・ダイク
原作/ダシール・ハメット
出演/ウィリアム・パウエル、マーナ・ロイ、モーリン・オサリヴァン
モノクロ スタンダードサイズ 89分
ある科学者が失踪した直後、研究室に秘書の女性が他殺体で発見された。大金持ちの令嬢ノラと結婚してからは、探偵から足を洗っていたニック(パウエル)だが、ノラ(オサリヴァン)自身が探偵稼業に興味を持ち、積極的に犯人の謎解きを始めてしまう。
ニックは、最初はいやいやノラにつきあっていた形だったが、やがて危険な人物が自分の周囲にもうろつき始めることになって、本格的な事件捜査に乗り出すことになる。
資料によれば、この映画は、このコンビの主演で1930〜40年代にMGM映画の大ヒットシリーズとなったものの第1作であるという。
『HAIKARA事件帖』の参考にしようかと思って見た作品であったが、探偵と女房ということでは、むしろ「リイドコミック」で大島やすいちさんの原案協力をしている『探偵屋の女房』の参考になりそうであった。
サスペンスフルなストーリーと、コメディタッチのふたりのかけあいのバランスも面白く、スマートなハリウッド娯楽映画に仕上がっている。
容疑者全員を自宅のパーティに招待して、食卓を囲みながら犯人当てをするところなど、ケレン味たっぷりで、映画的というよりは、むしろまんが的な印象を受けた。
因みに、この作品と同時期の探偵映画としては、柴又名画座では、昨年暮れに
『トレント大事件』
を上映している。
(2000/06/27)
[Top]
|
[Back]