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柴又名画座
No.137
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『ロリータ』
(1997年 アメリカ作品)
原題/LOLITA
製作/マリオ・カサール、ジョエル・B・マイケルズ
監督/エイドリアン・ライン
原作/ウラジミール・ナボコフ
脚本/スティーヴン・シフ
撮影/ハワード・アサートン
音楽/エンニオ・モリコーネ
出演/ジェレミー・アイアンズ、メラニー・グリフィス、フランク・ランジェラ、ドミニク・スウェイン、キース・レディン
カラー スタンダードサイズ 138分
ロリータ・コンプレックスという言葉の元になった、ナボコフの同名小説の2度目の映画化。
1962年に、故スタンリー・キューブリック監督の演出で、ハンバート教授をジェームズ・メイスンが、ロリータをスー・リオンがそれぞれ演じて映画化されていて、それは去年の
4月15日
に柴又名画座でも上映済み。
前作は、どちらかというとハンバート教授の行動を中心とした犯罪映画的な雰囲気が濃かったが、今回の作品は、理性ある大学教授が幼い悪女にハマっていく情念の物語に仕上がっていて、より原作に近い印象の映画になっていた。
そういう意味で、前作で物足りなかった部分が満たされて、なかなか good な仕上りでしたね。
ドミニク・スウェイン演じるロリータも、無邪気なところと魔性の部分が絶妙のバランスでミックスされていて、キャスティングも◎。
映画やドラマで「悪女」というと、目が吊り目で、猫科の動物みたいなイメージの女性がキャスティングされ、見るからに「私は魔性の女です」みたいな演技をしてることが多いんだけど、本当の魔性の女は、実は外見は、あくまでも無邪気なものなのだ。そして、どこまでが演技で、どこまでが素なのかがまったくわからない。また、たとえ演技だとわかってもわがままを拒めなくなってくる。
そのあたり、今回の作品は、なかなか
悪女のツボ
を心得ていると言えるでしょう。ロリータが、どこにでもガムを吐き出してなすりつけてしまう、というのがいい。あれこそがまさに悪女の行動なのですよ、ほんと。
(2000/06/22)
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