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柴又名画座
No.119
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『悪名一番』
(1963年 大映京都作品)
監督/田中徳三
原作/今東光
脚本/依田義賢
撮影/武田千吉郎
音楽/鏑木創
出演/勝新太郎、田宮二郎、江波杏子、藤原礼子、雪代敬子
カラー シネマスコープサイズ 91分
今東光原作、勝新太郎、田宮二郎のコンビで全16本が作られた人気シリーズの第6作目。
義理と人情に弱く、頼まれると嫌と言えない八尾の朝吉親分(勝)が、正月早々、貧乏人たちの頼みを受けて、1億円を持ち逃げした男を追って、モートルの貞(田宮)と共に河内から東京へやってくる。
そこで朝吉は、1億円持ち逃げ事件の陰に、ひとり私腹を肥やす悪徳金融会社社長・郡と、関東の顔役・工藤がいることを知り、その男らと対決をすることになる。
自分も素寒貧なのにわざわざヒッチハイクまでして上京し、無報酬で悪人と戦うという、およそリアリティのない朝吉のキャラクターであるが、それを勝新が演じると、実に愛敬たっぷりで、それなりに見られてしまうから面白い。当時売り出し中だった田宮二郎の、脂っこくドライなキャラクターとの対照も生きている。
実はこのシリーズはそれほどたくさんは見ていないんだけど、毎回、クライマックスシーンは大乱闘になるのである。どんなに事件のからくりが複雑なものだろうと、乱闘で悪人をやっつけちゃえばすべてが解決。このわかりやすさもこのシリーズの魅力ですね。ただし、今じゃそんな展開は、いくらなんでも安易すぎて誰も受け入れてくれないでしょうね(笑)。
(2000/04/03)
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